もしかして自律神経失調症?病院は何科へ行けばいいの?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
もしかして自律神経失調症?病院は何科へ行けばいいの?

朝夕のめまいや頭痛、慢性的なひどい肩こりなどに悩まされていませんか?

「もしかして、自律神経失調症?」 と思っても自己診断は危険!
似たような症状を持つ怖い病気が隠れていることも……

ここでは「自律神経失調症かも」と思った時、どうやって病院にかかればいいのか、また病院に頼りすぎない改善方法も紹介します。

まずは体の症状別に病院へ行く

まずは体の症状別に病院へ行く

自律神経失調症の症状としてよくある

  • 肩こり、腰痛、しびれ
  • めまい、耳鳴り、喉や口の不快感
  • 疲労、だるさ、微熱、偏頭痛、胃腸不良

などは、自律神経失調症以外の病気でもありえる症状です。

長引く不調に「自律神経失調症かも」と思ったら、まずは体の病気がないか調べてもらいましょう。これは、いちばん気になっている症状に対応している病院(診療科)に行けば大丈夫です。

症状別に受診すべき診療科を紹介します。

肩こり、腰痛、しびれなど

ひどい肩こりや腰痛、しびれなどがある場合には、整形外科を受診します。

肩こりや腰痛、しびれなどは、身体の歪みからきている場合もあります。
特にしびれは頚椎椎間板ヘルニアや胸郭出口症侯群の可能性や、一過性脳虚血発作などの重大な病気が潜んでいる可能性もあります。

めまい、耳鳴り、喉や口の不快感など

めまいや耳鳴り、耳の閉塞感などがひどい時には三半規管の異常を疑います。
また、喉や口の不快感や異常な渇き、ふとした拍子によだれが出てしまうなどの症状がある場合は耳鼻咽喉科へ。

めまいや耳鳴りはメニエール病など、喉の異常渇きはシェーグレン症候群や糖尿病が疑われます。

疲労、だるさ、微熱、偏頭痛、胃腸不良など

疲労、だるさ、微熱、偏頭痛、胃腸不良など

疲労感が抜けない、だるさ、微熱、偏頭痛や胃腸の不具合が起きている場合には、内科を受診しましょう。

低血圧症、肝炎や肝硬変などの肝臓の疾患、胃がんや大腸がん、糖尿病、結核、また慢性腎盂腎炎などの初期症状として上記のような症状が現れることがあります。

身体的に異常なしと言われたら

身体的に異常なしと言われたら

整形外科や耳鼻咽喉科、内科など、色々行ったけど、何も異常が見当たらなかった、という場合にはストレスや心因性のものが関係している可能性があります。

体に症状が出ていたとしても、その場合にはメンタル面からアプローチしていくのが根本解決につながります。

心を扱う受診科には、心療内科・精神科があります

心療内科と精神科のどちらに行ったらいいの? 判断基準は?

「『精神科』というと、ちょっと敷居が高い気がするけど、『心療内科』というのもよくわからないし……」

意外と区別が難しいのが、心療内科と精神科の違い。どちらも「心・精神」に関係しているのですが、専門領域が違います。

  • 心療内科
  • 心療内科は、原因が心にあっても身体症状があるという、心身症の専門科です。
    体に何らかの症状が出ていて、病院で異常なしと診断された場合には、心療内科にかかります

  • 精神科
  • 精神科は主に心の病気を取り扱う科で、不安やうつ、不眠、イライラ、幻聴や幻覚、妄想などがある場合にかかります。

    つまり、体の症状がつらい場合は「心療内科」、メンタル面の症状がつらい場合は「精神科」にかかるのが効果的です。

心療内科:体の症状がつらい場合 精神科:メンタルの症状がつらい場合
疲労感 だるさ すぐイライラしてしまう
めまい 耳鳴り 眠れない
微熱 偏頭痛 やる気が出ない…etc
胃腸不良

心療内科や精神科は大学病院や公的医療機関に入っていることもありますし、個人で開業しているメンタルクリニックもあります。

もしどこにかかったらいいのか分からないときは、心療内科や精神科が入っている大きな病院の総合窓口に、一度電話して相談してみるのがおすすめです。
街のメンタルクリニックなどの受付に、電話で相談してみてもよいでしょう。

また、行政の福祉局などにも問合せ窓口が設けてあります。

東京都福祉保健局

女性のための健康ホットライン 03-3269-7700(平日 午前10時から午後4時)

いずれの場合も、問い合わせる際は症状と、何科にかかったら良いか迷っている旨を伝えましょう。

初診はどのくらい時間がかかる? 費用は?

心療内科や精神科は、内科などとどう違うのでしょうか?
ここでは受診する前に知っておくべきことを取り上げます。

心療内科や精神科は、ほとんどが予約制なので、数日~数か月待つことがあります。また、個人開業のクリニックでも、事前に電話で問い合わせるのが無難です。

通常初診には、問診票記入の他に看護師による予診がある場合もあり、来院から終了まで30分~1時間かかります。
たいていは予約時に、何分程度早めに来るように、と指示されます。

費用ですが、紹介状がある場合は初診料(数千円。病院によって異なる)の負担がなくなります。
紹介状のない場合では、成人の場合初診料+診察料で、平均3000円程度です(薬は別途)。

受診するときに用意しておくものは?

受診するときに用意しておくものは?

  • 健康保険証
  • 症状や医師に伝えたいことをまとめたメモ

受診するときにまず忘れてはならないものは健康保険証です。

また、医師に伝えたいこと、症状をメモに書いて持っていくと良いでしょう
どんな小さなことでも重要なことが隠れているかもしれません。

  • いつから不調が続いているか?
  • どんな症状がどのくらいの頻度で出ているか?
  • どんなタイミングで症状が出やすいか、どのくらい続くのか?
  • これまでかかった他の病院で言われたこと …… etc

初めての診察はドキドキして言いたいことが言えない場合や、忘れてしまうこともあります。メモを持参していくことで伝え忘れをなくし、安心して受診できます。

心療内科・精神科では何をするの?

心療内科・精神科では何をするの

心療内科や精神科ではどのような治療をするのか気になるところです。
また、自律神経失調症の診断がなされるまでの過程も知っておきたいですね。

ここでは実際の診察の流れや内容の具体例をご紹介します。

自律神経失調症と診断されるまでのステップ

自律神経失調症と診断されるまでのステップ

  • 身体に異常がないかどうかを、専門科で診察・検査します(MRI、血液検査など)。
    内臓疾患など重大な病気の可能性がない場合、心療内科を紹介されます。
  • 心療内科では、大きくわけて2つの検査がなされます。
<自律神経そのものの働きを調べる検査>

交感神経と副交感神経の緊張度を判断するものが主になります。

  • メコリール試験(ピロカルピン点眼試験):薬物を使い、瞳孔の反応を測定
  • アシュネルテスト:眼球を圧迫しながら脈拍の反応を測定
  • ポリグラフ:呼吸や血圧、脈拍、皮膚の電気反応などを同時に測定
<ストレス耐性や性格傾向、心身の状態を調べる検査>

自律神経失調症は心理的要因が原因であることが多いため、心理面の検査をされる場合もあります。

  • 投影法:無意識の心理状態から人格特徴を測定
  • 紙に樹木を描くバウムテストや、文章の続きを書く文章完成法テストなど

  • 質問紙法:数十ある質問項目に答えていくテスト
  • 性格傾向や態度、価値観、人間関係の特徴が分かる。エゴグラムなど

  • 作業検査:性格特性や職業適性を判定
  • 描画、積み木など、非言語の作業での検査

ただし、実際には、そんなに検査をされることもなく薬が処方されて、効果を判定していくという方法を取られることも多いです。

なぜなら、自律神経失調症という「診断」が大事なのではなく、つらい症状を緩和・改善されることこそが治療の目的だからです。

 

病院での代表的な治療

<薬物療法>

<薬物療法>

薬によって、様々な症状を緩和します。

    • 抗不安剤
    • 緊張を和らげ、不安や緊張を取り除く役割がある
      セレナール、メレックス、ソラナックス、メンドン、デパスなど

    • 自律神経調整剤
    • 緊張を和らげ、不安や緊張を取り除く働きがある
      グランダキシン、ハイゼットなど

    • 自律神経抹消作用剤
    • 交感神経と副交感神経のバランスを整える働きがある
      ブスコパン、リズミックなど

    • ホルモン剤
    • 生理不順、のぼせ、発汗、手足の冷え、ふらつきなどの改善
      ルトラール、アプタコールなど
      (ホルモン剤は強い副作用や禁忌があるため、医師とよく相談してください。)

    • 抗うつ剤
    • 落ち込み、不安、イライラなどを軽減する
      アモキサン、トリプタノールなど

    • 睡眠導入剤
    • 不眠など睡眠障害を改善し、生活のリズムを整える
      マイスリー、ベンザリンなど

      薬によっては眠気や吐き気、ホルモン剤では不正出血や乳房痛などの副作用があります。
      また、ホルモン剤に限っては肝機能障害や血栓症などの禁忌があります。
      自己判断で飲むのを止めたり再開したりせず、必ず医師の指示に従いましょう。

  • <心理療法>
  • 専門家によるカウンセリングなどで心の中を整理し、自分の物事への心の持ち方や関わり方を知り、解決に導く療法です。

  • <自律訓練法>
  • 自己暗示をかけることにより、改善していきます。(詳しくはこちら)

  • <バイオフィードバック療法>
  • <バイオフィードバック療法>

    心拍数や脳波、筋緊張などを計測、パソコンで視覚化し、リアルタイムで意識することで、心身を正しい状態にコントロールしていく方法です。
    海外ではスポーツ選手のトレーニングなどにも起用されています。

  • <音楽療法>
  • 音楽療法には能動的音楽療法(演奏する)と受動的音楽療法(聴く)があり、自律神経失調症の治療には受動的音楽療法が用いられます

    音楽を聴くとα波が出て副交感神経が出やすくなり、リラックスすることにより呼吸が深くなったり、血行が良くなって体温が上がり免疫力の向上や代謝がよくなったりします。
    (参照:北海道大学大学院教育学研究科出版、在宅高齢者に対する受動的音楽療法の生理的・心理的効果)

    いくつかの治療法をご紹介しましたが、現在の自律神経失調症の治療の主流は、薬物療法と心理療法です。

病院に行くと、どのくらいで良くなるの? 費用の目安は?

治療期間には個人差がありますが、数か月から数年という事例が多いです。治療には環境や医師との信頼関係なども関係してきます。

通院は急性期には1週間に1回、その後は1ヶ月に1~2回が多く、費用は病院の場合保険が適用されるため、1回の通院で平均2000~4000円です。

ここではいくつかの体験談をご紹介します。

夫との不仲をきっかけに体調を崩し、二年後に自律神経失調症と診断されました。
ものも言わず動かず、石のような生活を一年ほど続けました。
三年前のことで、現在ほとんど症状はありません。仕事もしています。

私も2年ぐらい前から下痢や微熱、頭痛、吐き気、めまい、耳鳴り、のぼせ、動悸、呼吸が苦しくなることや、ひどい肩こりに悩まされました。
原因はたくさんありました。家族の病気、介護、職場の問題、将来の不安、それらがストレスとなっていたようです。

結局退職をし、家の手伝いをしながら養生していました。山や海など綺麗な景色を見ながら散歩したり、図書館へ行ったり、スポーツをしたり、のんびりしていたらいつの間にか以前より元気になりました。

原因不明の胃痛や吐き気、疼痛、疲労などの自律神経バランスが崩れた症状で、心療内科に通院している者です。わたし自身は2年以上通院しています。

病院選びのポイント

病院選びのポイント

自律神経失調症は心の影響も大きいため、治療には安定、安心、信頼が必要となります。

大病院や有名病院なら大丈夫だろうと思っても、自分が信頼できる医師でない限り、段々足が遠のいてしまったり、別の病院を探してドクターショッピングを続けたりしかねません。

病院の大小ではなく、心から信頼できる、自分と相性の良い医師をみつけられるかが、治療の鍵となります。

口コミで病院を探してみるのもひとつの方法です。受付電話の印象や医師の診察の様子、話を十分に聴いてくれるかなどに注目して探すと良いでしょう。

病院に行かないと改善できないの?

病院に行かないと改善できないの?

「自律神経失調症」は一般に広く知られていますが、実は「うつ病」などと違って、明確な診断の定義がある病気ではありません。

現在の日本の医療では、他の病気の可能性をひとつずつ消していき、最終的に特定の病名が付かない場合に自律神経失調症と診断されます。

原因や症状次第ではありますが、病院治療以外にも自律神経を整えていく方法がありますので紹介します。

ヨガやアロマテラピー

自律神経が乱れた原因が、生活習慣や骨格の歪みの場合は、これらの治療で改善することもあります。

森田療法

強迫神経症や心配性、完璧主義などの神経症気質が原因になっている可能性もあります。そんな人にお勧めなのが森田療法です。

森田療法は神経症に特化した治療法で、不安を受け止めたまま日常生活を行えるようにする訓練方法です。基本は入院治療ですが、入院以外にも薬物療法との併用で、通院による日記指導(毎日行ったことを日記に書いて診療日に持参し、治療者がコメントを加える)などがあります。

自分で書籍やe-ラーニングなどで学習するか、森田療法を取り入れている病院でのメールカウンセリングなどもあります。

鍼灸や整体も有効

鍼灸や整体も有効

なんとなく身体が不調、という軽度の症状の場合には、鍼灸や整体も有効です。
鍼灸は身体を温め、自己治癒力を高めていくという考えの下に治療が行われます。

整体は、身体の歪みを改善することで、身体本来の働きを元に戻すという考えです。
体の不調が取れれば、自然と気分も整い、自律神経も正常に働くようになります。

まとめ

もしかして自律神経失調症?病院は何科へ行けばいいの?まとめ

自律神経失調症についての病院の選び方や治療法などについて、お伝えしてきました。
あなたの体の不調がもし自律神経失調症の症状に複数当てはまるようなら、直ちに受診しましょう。

その際には「自律神経失調症かも」という自己判断ではなく、まずは内臓疾患などの病気ではないことを検査して確認し、心療内科などにかかってください。

また、軽度であれば薬に頼らなくても、リラックスしたり体の歪みや冷えを治したりすることで、不定愁訴が改善することもあります。

自分の身体の声を聞き、しかるべき治療をして、快適な日常生活を取り戻しましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。