自律神経失調症の原因は考え方のクセかも?苦しい考え方8つの具体例

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自律神経を安定させるポイントとは

自律神経失調症の原因には複数の要素が絡んでいると言われていますが、とくに大きな原因となるのは精神的なストレスです。

しかし、同じようなストレスを受けても大丈夫な人と、すぐに調子を崩してしまう人がいますよね。

その違いはどこにあるのでしょうか?それは、「ストレスの受け止め方」。ストレスを上手くかわせる考え方の人と、ストレスを高めやすい考え方の人とでは、自律神経に及ぼすダメージも大きく変わります。

「自律神経が弱くなる考え方のクセ」を見つけて改善し、ストレスに強くなりましょう。

自律神経とストレスの関係

自律神経とストレスの関係

私たちの意思とは関係なく、生理機能を24時間調整してくれている自律神経の働きは、健康な生活を維持する上でとても重要です。

精神的なストレスがあると、なぜ自律神経が影響を受けるのでしょうか。その理由は、自律神経を司る脳の部分と感情を司る脳の部分が近い場所にあるからだと言われています。

自律神経を司る視床下部

自律神経を直接コントロールしているのは、脳の視床下部という部分です。視床下部は頭蓋骨の中心部にあり、生命維持に必要な生理機能を調整する管理者の役割をしています。

自律神経の働きがリズムを乱しバランスが崩れてしまうと、関わる様々な臓器や機能に影響がでるようになります。特徴的なのは、めまい、吐き気、冷え、ほてり、不眠、下痢や便秘などの症状が出ることです。これは、視床下部が調整している生理機能に関係しているからです。

視床下部が調整する生理機能

  • 呼吸
  • 循環
  • 体温
  • 発汗
  • 免疫
  • ホルモン分泌

など

感情を司る大脳辺縁系

喜怒哀楽の感情は、視床下部に情報を伝える視床のすぐ上、大脳辺縁系という部分が司っています

大脳辺縁系は、食欲や性欲、直情的な怒りや喜びを生み出す原始的な脳と言われています。

大脳辺縁系でおこった欲求や情動の刺激は、すぐ下にある視床を通して視床下部に伝わり、自律神経を左右します。

大脳辺縁系のブレーキ役大脳皮質

人間は大脳辺縁系で生まれた本能的な欲求や感情を、そのまますべて表面に出したり行動にうつしたりすることはしません。

それは、そのさらに外側の、理性や思考や行動を司る大脳皮質が非常に発達しているからです。大脳皮質は、社会脳とも呼ばれています。

大脳皮質の働きにより、人間は人間らしく、社会的ルールや節度を守った生活をおくり、周囲との調和をはかることができます。

しかし一方で、この大脳皮質に刻まれた考え方のクセが本能的な大脳辺縁系の働きを妨げ、必要以上に過剰な感情を生み出して自律神経に悪影響を及ぼしてしまうことがあるのです。

過剰な感情を生み出す考え方のクセとは?

過剰な感情を生み出す考え方のクセとは?

自律神経に悪影響を及ぼす過剰な感情を生み出す考え方のクセとは、どのようなものを指すのでしょうか。その具体例をご紹介します。

1次的な悲しみと2次的な悲しみの違い

人間が感じる悲しみの中でもっともわかりやすいのは、愛する人を失ったときの悲しみですよね。それが悲しくない人はいません。

「愛する人を失って悲しい」

この感情は、心が素直に感じている1次的な感情です。当然しばらくは、気持ちが落ち込み食欲が無くなり、活動への意欲も失われ、体に不調も感じるかもしれません。

しかし、自然な感情は必ず癒され、自律神経も再び正確なリズムを刻むようなシステムになっています。そうしないと、生きることに支障がでてしまうからです。

また、失った相手が生活を支えていたパートナーや親であった場合、悲しみとは別に「この先どうやって暮らしていけばいいか」という不安が生まれます。

この不安も、あって当然のものです。

ここで考え方に柔軟性のある人は、「きっといい道がひらけるはずだから、とにかく今できることをやろう」と気持ちを切り替え、誰かに相談するなり仕事を探すなり、不安は不安として抱えながら前に進んでいきます。

けれど、「旦那や親がいなくなれば私は絶対に生きていけない」「1人残された私はなんて不幸なんだろう」「私の人生は終わりだ」「彼が死んだのは私のせいだ」などと考え続けていたとしたら、その悲しみや不安は、絶望感や自己嫌悪や罪悪感を生み出して一気にふくらんでしまいます。

このように、おこった出来事に対して、自然に発生する感情以上の大きなダメージを受けてしまう考え方のクセの人は、日常の生活においても知らず知らず、よぶんなストレスを受け続けていることになります。

小さなことの積み重ねが慢性的なダメージに

日常のことに例をとりましょう。

仕事で、受付からまわってきたファイルを入力しているとします。

あるとき、ファイルを持ってきた受付の人が、「終わった分のファイルを戻しておくね」と言って、入力済みのファイルを倉庫にしまってくれました。

さて、あなたはそれをどう感じるでしょうか?

受付の人は2人の入力の人に対して同じことをしましたが、してもらった2人の反応はまったく違っていました。

  • Aさん→代わりにしまってくれて親切な人だな
  • Bさん→もしかしたら、私のしまい方が気に食わないのかしら…

Aさんは、素直な感謝をして受付の人に好意を感じました。

一方

Bさんは、この後あれこれと妄想をふくらまし、受付の人の言動がすべて自分を責めていると感じてしまうようになりました。

この2人を比べ、どちらがストレスを感じやすいのかはわかりますよね。

このBさんのような人の脳には、物事を悪いように受け取ってしまう考え方のクセが刻まれているのです。

日常のささいな出来事に対してこのような反応をしていては、体も緊張して疲れてしまい、自律神経のバランスもおかしくなります。

苦しい考え方のパターンに気づく

このような歪んだ受け取り方をする考え方のクセは、自分ではなかなか気がつかないものです。

それに気がつけると、ストレスへの対応が大きく変化していきます。

歪んだ考え方に気づき、できるだけストレスを受けにくい考え方に変化させて実際の行動に生かしていく方法は、認知行動療法といって、精神科や心療内科での治療としても正式に採用され、病気によっては薬物以上の効果が認められています。もちろん、自律神経失調症にも効果があります。

専門的な治療を受けなくとも、また、考え方自体を無理に変えようとしなくても、「自分はストレスを受けやすい考え方をしている」と気づくだけで、心身が受けるダメージをだいぶ減らすことができます。

【苦しい考え方】8つの具体例

苦しい考え方【8パターン】

ここでは、苦しい考え方の例として、よくあるものをあげます。自分の考え方を振り返ってみましょう。

二分割思考

白か黒、良い悪いなど、中間が無く0か100の考え方

「トップが取れなければ意味がない」「少しの失敗が許せない」など

破局的思考

物事を始める前から常に悪い結末を想定する

「恋人ができてもいつかはフラれる」「私が幸せになれるはずがない」など

極端な一般化

一度でも不運なことがあると、人生のすべてが不運であるように決めつける

「いつも私は上手くいかない」「悪いことばかりがおこる」「私にはこの仕事が向いていない」など

独断的推論

自分の思いこみで勝手に否定的な決めつけをする

「あの人が目を合わせてくれないのは私を嫌っているからだ」「あの人はいつも私にだけ冷たい」など

すべき思考

「~すべき」という取り決めが多い

「風邪くらいで仕事は休むべきではない」「人の頼みは断るべきではない」など

自罰的思考

おこっていることに対して過度に責任を負う

「この仕事が上手くいかなかったのは私のせいだ」「私のせいで場の雰囲気が悪くなっている」など

自分を下げるレッテル貼り

自分自身に低いレッテルを貼ってしまう

「私は負け組」「私のような人間は価値がない」など

拡大視・縮小化

物事に対する評価が悪い方に偏っている、悪い面ばかりを見ていい部分を見ようとしない

「結局成功したとはいえ、途中は失敗ばかりだった」「(本当は良くなっている部分があるのに)どこも良くなっていない、悪くなる一方だ」など

今すぐ楽になれる考え方の切り替え方法

今すぐ楽になれる2つの改善ポイント

それでは、どうしたら「苦しい考え方」を変えていけるのでしょうか? ポイントは2つあります。

苦しい思考を否定しないこと

自分の中に苦しい考え方があるなと気付いたときに大切なのは、その考え方を否定しないことです。

そのような考え方をしてしまうのには、それまでの経験やコンプレックスが関係していることもあって、その人自身がやりたくてやっているわけではありません。

「プラス思考にならないと」「もっとポジティブに」となってしまうとよけいに自己否定が強まり逆効果です。

まずは、苦しい考え方に対して「そういう考え方をしてしまうんだね、苦しいよね」と共感的によりそってあげましょう。

マイナス思考は、上手く生かせば

  • 慎重
  • 謙虚
  • 責任感の強さ

など、長所に変わります。
そういう性格自体が悪いわけではなく、過度に偏り過ぎていることが問題なのです。

いいこと探しを習慣づけよう

苦しい思考パターンを変えていくためには

  • 物事を客観的に見ること
  • いい側面を探すこと

この2つを練習をしてみましょう。マイナスの思考はむやみに「気にしちゃダメ」と打ち消しても消えません。

それをいい方向へ転換させてやるのが一番です。

仕事で失敗をした

「私はダメな奴だ」となった場合は、
  • →「この失敗を反省して、今度は~の点に注意してみよう」「これは苦手だけれど、~の面ではいつも上手くいっている」

などと言い換えます

誰かが自分に怒っている気がした

「私が何をしたんだろう、私はいつも誰かを怒らせてしまう」とくよくよする前に、
  • →「何かがあって機嫌が悪いのかもしれない」「この前は笑顔だったし怒らす覚えはないから、しばらく様子を見てみよう」

などと言い換えます。

苦しい思考パターンの人は、視野が狭く悪い部分しか見ない習慣がついています。

どんな場面でも、探せば必ずいい側面があります。最初は難しいかもしれませんが、視野を広げいい側面を探す練習をくり返してみてください。

少しずつであっても、続ければ必ず変化はしていきます。

まとめ

自律神経失調症の原因 まとめ

自律神経失調症の原因となる精神的ストレス、そのストレスを必要以上に増やしてしまう苦しい思考パターンについてご紹介しました。

自律神経のうちでリラックス方向に働く副交感神経は、自分を責めたり追い込んだりする思考にとても弱く、慢性的にそのような思考があると上手く働けなくなってしまいます。

ポイントは、

  • 必要以上にストレスを大きくする自分の考え方に気づく
  • 気づいたら、そういう考え方をする自分の苦しさに共感して寄りそう
  • いい側面を探す練習をする

地道にくり返していると、だんだんストレス耐性が上がっていきます。

ストレス耐性が高いとは物事に鈍感なこととは違い、自分のストレスへの反応傾向を知り、上手く対処ができることを指します。

繊細な人でも慎重な人でも、その性格は生かしたままストレス耐性を上げることはできるので、上記のポイントを意識してみてくださいね。

(すきっと編集部 / 寺山)

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