自律神経の乱れやストレス対策に効果あり!誰にでもできる『自律訓練法』とは?

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自律神経の乱れやストレス対策に効果あり!

私たちの健康な生命活動を陰で支える重要な存在…それが自律神経です。
活動に関わる交感神経と、休息や消化吸収などに関わる副交感神経が上手にバランスをとって24時間がまわっています。しかし、このバランスが乱れ、とくに交感神経ばかりが高くなってしまいリラックスの苦手な人が増えています。交感神経優位な状態が長く続くと心身の疲労は増し、様々な不調の原因にもなってしまいます。

そんな人にご紹介したいのが、『自律訓練法』。

名前は硬いですがやること自体はとってもシンプルで、短い時間で、特別な道具も使わずにやれます。コツをつかんでしまえば、仕事や家事の合間にどんな場所でもできるようになります。自律訓練法は自分自身で安定した心身の状態をつくりだすための方法で、心療内科で治療としても用いられています。もちろん、病気ではない人の日常でのリラックス法としても使えます。

自分で気軽にできるようになると、ストレスに追い込まれたときや疲労がたまってきたときにとても役に立ちます。
自律訓練法の効果、行う際の注意点やコツ、実際のやり方までをご紹介します。ぜひ、参考にしてくださいね。

自律訓練法とは

自律訓練法とは

自律訓練法は、もともとドイツで考案された自己暗示催眠法です。大脳生理学者や精神科医の臨床研究にもとづいているのでじゅうぶんな医学的根拠もあり、現在は多くの病院が治療にも取り入れています。とくによく用いられるのは心療内科で、精神的ストレスによって引きおこされる痛みや不調、いわゆる心身症や、過敏な精神状態が問題となる神経症の改善に効果が認められています。

自律訓練法の特徴

自律訓練法の最大の特徴とメリットは、「コツさえつかんでしまえば自分でいつでも短時間でできる」ということ。そのため、病気の治療に関わらず、また、正式なやり方をアレンジし、様々な場面で、様々な人によって応用されています。

なぜ「訓練」という名前がついているか

とは言っても、『自律訓練法』なんて硬い名前だし、ちょっと難しそう…と思いますよね。けれど、この「訓練」の意味は、「コツをつかむまで、地道に続けることが大切」ということなのです。例えば、運動もストレッチやヨガも、やり方のコツをつかんで無意識に身体が動くようになるまでは、ある程度地道に継続しなければいけませんよね。

この自律訓練法も同じなのです。やること自体は難しくありませんが、それの効果を感じるまではとにかく継続することが大切で、その意味で「訓練」という名前がつけられています。

自律訓練法の効果

自律訓練法の効果としてあげられるのは、以下のようなものがあります。

  • 疲労回復
  • ストレス反応の緩和
  • うつ状態や強すぎる不安の軽減
  • 仕事や家事、勉強の能率アップ
  • 不眠の解消

          などなど

自律神経の働きは意識でコントロールができませんが、自律訓練法を使うと意識的にリラックス状態をつくりだすことができるようになります。ストレスがかかっているな…疲れているな…緊張しているな…心や身体が追いつめられているな…そんな風に感じたときに対処がしやすくなり、安定した心身状態を保つために役立ちます。

自律訓練法の実践

自律訓練法の実践

ぜひ、自律訓練法をやってみたい!という人のために、実践方法をご紹介します。本格的に取り組んでみたいという場合は、カルチャーセンターで講座が開かれていたり、病院の心療内科が集団指導プログラムを行っていたりすることもありますので、そちらに参加してみるのもおすすめです。

自宅での実践の方法について

本来の自律訓練法には様々な段階がありますが、ここでは、一番基本の部分をご紹介します。日常に行うリラックス法としては、これでじゅうぶんとされています。また、やり方も指導者によって多少異なりますが、初心者の人が一番やりやすいと思われるものをここでは書いています。

慣れてくるとアレンジも可能なので、まずは簡単なところから始めてみましょう。

実践の前に

実践をする前に、大きな注意点があります。自立訓練法を始めた多くの人がおちいりがちなのが、「頑張ってしまう」こと。努力家で真面目である人ほど、「頑張って上手くやろう」「早く効果がだしたい」となってしまうのですが、それでは自律神経法はまったく生きてきません。むしろ、訓練がストレスになってしまいます。

自律訓練法を行うときは以下のポイントを意識しましょう。

  • あれこれ考えない
  • 決められていることをひたすら無心にくり返す
  • 上手くできなくても決められた時間以上はやらない
  • 効果をだそうとしない
  • 焦らない
  • 頑張らない

しかしこれってけっこう難しいことですよね?
だから、最初はできなくていいのです。このポイントを意識しながら訓練をくり返すことが重要です。そのうちに、だんだんできるようになっていきます。

自律訓練法の真の目的

自律訓練法は結局、「あれこれ考えず、頑張らず、焦らず、淡々と決められたことをこなす」心境に達するためのものです。そのような心境になることができれば、ストレスや周囲の影響を受けづらくなり、自分自身を冷静に保てるようになりますよね。

その結果として、ストレスや不安に巻き込まれずに行動ができるようになり、状況に関わらずにリラックス状態に切り替えるといったことが可能になるわけです。自律神経を整えるとは、「本来の自分に立ちかえること」それができる心と身体を育てるのが、自律訓練法という方法です。

実践のための準備

慣れてくると、どんな場所のどんな状況でもできるようになりますが、最初のうちはふさわしい環境を整えましょう。

  • ベルト、時計、きつい下着などの身体を締め付けるものを外す
  • トイレは先にすましておく
  • 食後すぐは避ける
  • 静かで落ち着ける、室温が適度な場所を選ぶ

実践のための姿勢

基本姿勢は①あお向けで横になる、②椅子やソファーにゆったりと座る、のいずれかです。

初めての人におすすめなのは、①のあお向けです

  1. 両腕と両脚をのばして軽く開いてあお向けになり、背中がベタッとつくように全身の力を抜く
  2. 脚は腰幅~肩幅くらい、腕は脇の下に野球ボール1つが入るくらいに開く
  3. 手の平は、上向きでも下向きでも、自分の楽なようにしておく

あお向けがスペース的に無理な場合は、②の椅子やソファーにゆったりと座る方を選択します。

  1. 背もたれにはもたれず、頭のてっぺんが天井から糸で吊られているようなイメージで背筋をゆるやかにのばす
  2. 首、肩、腰が緊張しないように、自然な姿勢をたもつ
  3. 足は肩幅に開き、両手を膝の上に置く

公式を覚える

環境と姿勢が定まったら、「背景公式」を行います。
自律訓練法では、決まった手順ややり方のことを「公式」と呼びますが、それはあれこれ自分で考えたり操作したりせず、ただ決められた通りをくり返すということを指しています。慣れてくるとアレンジが可能ですが、コツがつかめるまでは、公式通りを心がけます。

背景公式=手順の1番目。気持ちを落ち着ける。

  1. ゆったりと、無理のない範囲の深呼吸を数分くり返す
  2. 気持ちが落ち着いてきたら、軽く目を閉じ、声には出さずに心の中で数回「気持ちが落ち着いている」と唱える
  3. 気持ちが落ち着いてこなくても、数分がたったら(例えば3分と決めておく)同じように「気持ちが落ち着いている」と唱える

気持ちが落ち着かずにイライラしても、無理に「落ち着かせよう」と頑張ってはいけません。「イライラしているな」ということを眺めたままで深呼吸をくり返し、数分がすぎたら公式通りの言葉を心の中で唱えるようにします。

第一公式

背景公式が終わったら、第一公式にうつります。

第一公式=手足の重さを感じる。

  • 右手(左利きの人は左手)に意識を向け、手の重さを感じる。色々と雑念が入ってもそのまま流し、声に出さず心の中で「右(左)手が重たい」と唱える
  • 実際に「右手が重たいな」と感じられるまでくり返す。感じられたら次は反対側の手に意識を向け、右足、左足とうつっていく
  • 重さを感じられない場合は、その部位にとどまって決めた時間(5分以内。例えば3分)くり返し、感じられなかったとしてもそれで終わりにする

心の中で唱える言葉は必ずいつも「右(左)手(足)が重たい」です。言葉を変えたり、頑張って重くしようとしたり「なぜ重く感じられないんだろう」と考えたりはせずに、ただ重さに意識を向けるだけを心がけます。

第二公式

第一公式がスムーズに終わるようになったら、第二公式にうつります。

第二公式=手足の温かさを感じる。

  • 第一公式と同じ順序で、重さの代わりに温かさを感じるように意識を向けていく
  • 実際に温かさが感じられるまでその部位にとどまって「右(左)手(足)が温かい」と心の中でくり返し、感じられないときでも、第一公式と合わせて5分以内には終わるようにする

消去動作

1回の訓練が終わったら、消去動作を行い自己催眠状態から覚めるようにします。ただし、就寝前に訓練を行った場合は消去動作をせずにそのまま眠ります。

消去動作=体をほぐして通常の状態に戻る

  • 両手を強く握ったり開いたりを数回くり返す
  • 両手を頭の上に組んで大きく伸びをする
  • 首や肩をゆったりと回す

自律訓練法を行う回数やタイミング

慣れてくるまでは、1日3回、朝、昼、夜に行うといいとされています。食事の直後を避けて生活に取り入れてみましょう。慣れてきたら、とくに回数や時間は決めず、仕事や家事の休憩、疲れがたまったときなど、いつでもどこでも行うことができます。

1回の訓練にかける時間は5分以内とし、忙しい場合はもっと短くしてもかまいません。1日3回が難しい場合は1回でも大丈夫ですが、できるだけ毎日続けるようにします。
ただし、「絶対やらなければ」とストレスにならないように。自分の生活や状態に合わせ、可能な範囲で継続しましょう。

まとめ

自分自身でリラックス状態をつくりだす、自律訓練法 まとめ

自分自身でリラックス状態をつくりだす、自律訓練法についてご紹介しました。

やり方はいたってシンプルですが、自律神経のバランスが交感神経優位に傾いている人ほど、はじめはイライラしたり、苦痛に感じたり、「重たい」や「温かい」が感じられなかったりします。

けれど、そのイライラしている自分を眺めつつ、ひたすら訓練をくり返してみてください。2週間、1か月と過ぎるうちに、何らかの変化が感じられるようになります。

ポイントは「リラックスしなくちゃ!」と焦らないこと。

できなくてもいいのです。反対に、簡単にできるようなら訓練の意味もありません。

「リラックスできないな…イライラしているな…」と自分を客観的に見つめながら、意識を手足の重さや温かさに向け、決められた言葉を唱えることが重要です。

地道ですが、くり返しの効果はありますよ。たった数分なので、ぜひやってみてくださいね。

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