慢性腰痛の中医学から見た原因と対策|自宅でできる改善法

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慢性腰痛の中医学から見た原因と対策|自宅でできる改善法

病院で調べても原因のよくわからない慢性化した腰痛……辛いですよね。

現代日本の主流は西洋医学で、西洋医学は検査や科学的な理論を重視します。ただ、残念ながら西洋医学には、命に別状のない、原因がはっきりしない症状に対してはアプローチがしづらいという弱点があります。

そして、実は『慢性腰痛』は西洋医学が苦手としている症状の代表選手なのです。

世界には逆に、こういった症状を得意とする医療もあります。それが中国の伝統医学である中医学です。もしも、あなたが『慢性腰痛』に悩み、病院に通ってもなかなか改善されないなら、中医学の視点を取り入れてみる方法もあります。

中医学では腰痛を全身のバランスの乱れや気の滞り(とどおこおり)としてとらえます。最近では、このような中医学の考え方を取り入れる西洋医学の病院や医師も増えています。

今回は、中医学から見た慢性腰痛の原因、そして自宅でできる改善法などをご紹介します。

中医学と西洋医学

中医学と西洋医学

中医学とは、中国に古来より伝わる伝統医学です。本来は様々な種類があったのですが、現在は「中医学」として統一されています。

東洋医学とは違うの?と思うかもしれませんが、東洋医学は、中医学もふくむ、韓医学や日本で発展した漢方医学など、アジア系の医学全般を指しています。

けれど、東洋医学のメインとなっているのは、やはり中医学なので、中医学=東洋医学の意味で使われていることもあります。

中医学と西洋医学(現代医学)の違い

中医学は、人の身体を五臓六腑(ごぞうろっぷ)という分類でとらえ、それぞれが関わる組織や生理現象、感情までをトータルで考える医学です。

中医学

  • 痛みなどの原因を、その部位だけで考えず、全体のバランスの乱れという視点で見る
  • ただ痛みを抑えようとするのではなく、痛みをおこしている根本の体質や心の状態にある問題を改善しようとする
  • 同じ症状であっても、一人ひとり、治療法は異なる

西洋医学

  • 痛みなどの原因を、ある部位に限って考えることが多い
  • 専門の科が細かく分かれているので、全体的な視点で痛みの原因を探るのは難しい
  • 根本の改善というよりは、今おきている痛みをどう取り除くかが重視されている。

中医学と西洋医学、どちらが優れているか、ということではなく、得意分野が違うということです。

西洋医学が苦手な『慢性腰痛』

血管が破裂したとか、骨が折れたといった緊急性のあるはっきりとした症状には、西洋医学は強いです。様々な手術や特効薬によって、多くの命が助けられているのも事実です。

一方、命に別状のない、原因のよくわからない慢性の症状には、西洋医学は何もアプローチできません。そのときおきている痛みや炎症を抑える薬を出すくらいです。

こういう西洋医学が苦手とする慢性化症状にこそ、中医学の考え方が力を発揮します。

西洋医学が苦手としている慢性症状の中でも、『慢性腰痛』はその代表選手です。

現在、日本で腰痛に悩んで医療機関を受診する人のうち、原因がわかっているのはたったの15%と言われ、残り85%は、原因のよくわからない『非器質性腰痛』に分類されています。「非器質性」とは、耳慣れない言葉ですが、「痛みがおこるような異常が見当たらないこと」を指します。

慢性腰痛と中医学

慢性腰痛と中医学

それでは、中医学では「慢性腰痛」をどう捉えているのでしょうか?

慢性腰痛は『肝』と『腎』の弱りからおこる

中医学では、慢性腰痛は五臓六腑の中の『肝』と『腎』の弱りからおこるととらえます。

『肝』『腎』と言っても、単純に肝臓や腎臓の臓器だけを指しているのではありません。2つの臓器が深く関わる他の組織や生理現象、感情などもすべて含まれます。

『肝』の働きと「腰痛」との関係

肝は筋肉や筋膜と連動しています。

『肝』の働き
  • 自律神経に影響
  • 気のめぐりを司る
  • 筋肉や筋膜とも連動
  • 女性の生理とも関連
  • 怒りの感情と深い結びつき

そのため、肝が弱ると、腰痛の症状が出てきます。

『肝』が弱ると起きる症状
  • 筋肉が硬くなる
  • 筋膜がちぢこまる
  • 上手く姿勢が保てなくなって腰に負担がかかる

『腎』の働きと「腰痛」との関係

腎は脳とつながる背骨と連動しています。

『腎』の働き
  • 骨や骨髄(こつずい=骨の内部にある血液をつくる組織)と連動
  • 生まれながらに持った気のエネルギー貯蔵庫
  • 恐れの感情と深い結びつき

そのため、腎が弱ると、腰痛の症状が出てきます。

『腎』が弱ると起きる症状
  • 脳や神経とつながる大切な背骨もダメージを受ける

肝と腎は、五臓六腑の中でも特に大事

よく、「肝腎要(かんじんかなめ)」という言葉が使われますが、肝と腎は、五臓六腑の中でも特に重視されています。腰も、「要」の文字がついていますね。

中医学でとくに重要な肝腎が弱ると、身体を中心で支えている要の腰も痛むというわけです。

『肝』『腎』の弱り度チェック

それでは、あなたの『肝』『腎』の調子はどうでしょうか?

下記のチェックにあてはまる数が多いほど、『肝』『腎』の弱りが伺えます。参考にしてください。

『肝』の弱り度チェック

  • 筋肉がけいれんしたり、脚がつったりしやすい
  • めまいがするときがある
  • 目にトラブルがおきやすい
  • 血圧が上がりやすい
  • イライラする
  • 身体がダルい
  • 脇や上腹部に張ったような感じがある
  • お腹にガスがたまりやすい
  • 生理不順
  • 寝つきが悪い
  • 爪が割れやすい

『腎』の弱り度チェック

  • 髪が抜ける
  • 歯が弱くなった
  • 耳に不調がある
  • 足腰がだるい
  • トイレの回数が多い
  • 冷えやすい
  • 不安が強い
  • 足の裏がほてる

『肝』『腎』が弱る原因は生活習慣にある

肝や腎の弱さは、もちろん生まれ持った体質もありますが、生活習慣によっても大きく影響されます。

『肝』を弱らす原因

  • 怒りをためこんでいる
  • 常に頑張りすぎている
  • 食べ過ぎている

『腎』を弱らす原因

  • 冷たいものをよく食べたり飲んだりする
  • 緊張する場面が多い
  • 上手く休めていない
  • 不安や悩みをいつも抱え込んでいる

共通するのは「過ぎる」「溜める」

肝・腎ともに、弱らす原因となるのは「過ぎる」「溜める」この2点です。
何事も、ほどほどとバランスが大切なんですね。

とくに感情との結びつきはとても重視されています。怒りや恐れの感情自体が悪いわけではありません。どちらも誰もが感じる自然の感情です。

そういう感情を無理に抑えつけたり、冷静さを失って巻き込まれたりして高まり過ぎてしまうと、心も身体もバランスを失ってしまうのです。

『肝』『腎』を高めて「慢性腰痛」から解放されよう!

『肝』『腎』を高めて「慢性腰痛」から解放されよう!

それでは、弱った肝・腎を元気にしてあげるには、どのようなことが大切なのでしょうか。日常生活でできる改善法をまとめました。

疲れすぎない運動

肝・腎ともに、適度な運動によって高められると言われています。

疲れてしまうほどだと逆効果なので、軽い散歩ストレッチなどを無理のない範囲でとりいれるようにします。

腎には「黒い食べ物」、肝には「酸っぱい食べ物」を

食事も大切な改善法のひとつです。それぞれを回復させる食べ物が知られています。

腎を回復させるには?

豆類黒い食べ物がいいと言われています。
黒ごま、黒豆、黒キクラゲなどです。

おすすめは、黒豆を粉末にした黒きな粉
他に比べるとリーズナブルで、温かい牛乳や豆乳に溶いて黒砂糖を少し足せば、美味しく飲めます。
ダイエット中の人は、黒豆茶もいいですよ。

肝を回復させるには?

疲労に効果的なクエン酸を含むものがいいと言われています。グレープフルーツやオレンジなどの柑橘類、梅干しなどです。

味が気にならない人は、黒酢を料理やドリンクに取り入れるのもおすすめです。

中国茶の杜仲茶は肝と腎を癒し、腰痛の人に向いているのです。

いずれにしても、「摂り過ぎ」には注意です。

感情と上手く付き合う

肝・腎は、怒りや不安などのネガティブな感情を溜め込むことで弱るとされています。

だからと言って、無理にポジティブになる必要はありません。怒りや不安は本来自然な感情なのであって当然です。それに巻き込まれず、切り替えができればいいのです。

おすすめは、感情を書くことです。

怒ったり不安になったりしている自分を、一歩引いて外から眺めてみましょう。気持ちを書いてみると、まずはそれで感情が少し吐き出されます。

人に話すのもいいですが、相手を選ぶのも難しいし、いつも誰かが聞いてくれるわけではありません。自分の書いた言葉を見て、自分のカウンセラーになったつもりで、優しく寄りそってみてください。

それから、音楽、お茶、匂い、景色など、自分の好きなものを探して、気持ちの切り替えをしましょう。

  • 怒りを感じたらこのお茶を飲んでみる
  • 不安になったらあの場所に行ってみる

そんな風に決めておくと、感情を高めすぎずにリセットができるようになります。

ポイントは、気持ちを切り替えようとして無理にテンションをあげないこと。

怒っているまま、不安なままでいいから、それに巻き込まれない行動(好きなお茶を飲んだり好きな場所に出かけたりしてみること)をすることが大切です。

深呼吸&マッサージ

深呼吸は、肝にも腎にもいいとされています。

やり方とかをあまり難しく考えないで、できれば外の樹の近くで、思い切り胸を開いて呼吸してみましょう。1日に1度は、そういう時間を持つのがおすすめです。

マッサージは、上腹部のみぞおちの少し上あたりにストレスポイントがあります。ここが硬くなってくると、肝も腎も弱ってしまいます。

横になって、胸の下からおへその上あたりまでを優しく縦横、または円を描くようにさすってあげてください。

まとめ

まとめ

中医学から見た慢性腰痛の原因、日常にできる対策をまとめました。

腰痛の対策というと、つい、腰の部分に限って考えてしまいがちですが、腰痛には、幅広い要因が関わっていると言われています。

骨格や筋肉などに明らかな異常や外傷がある場合は別ですが、慢性腰痛の場合、「この痛みを何とかしよう!」と頑張り過ぎない方がかえって上手くいく場合も多いのです。

肝や腎の弱っている人は、何事にも頑張り過ぎる人が多いと言われています。
慢性腰痛は、あなたの心や内臓が発している「休め」のメッセージかもしれません。

痛みから少し離れて、身体全体、生活全体、心の状態に無理をし過ぎてないかを考え、なるべく自分に優しくしてあげてくださいね。

中医学では、痛みがあるときの一番の対処法は「手をあてること」です。
腰に、お腹に、心に、手をあててみてください。

(すきっと編集部/寺山)

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