
「痛っ!」腰に激痛が!
痛くて動けないし、助けを呼ぼうにも周りには誰もいない……
こんな最悪な状況でぎっくり腰になってしまったとき、あなたならどう対処しますか?
言葉では、とてもいい表せない辛い痛み。
それはもう、ぎっくり腰になった人にしか分かりません。
ご家庭、職場などのあらゆる場所で、急にぎっくり腰が起きてしまうこともあります。
予期せぬタイミングで起こるぎっくり腰、とても怖いですよね。
また、老若男女関係なく、誰がぎっくり腰になるのか分かりません。
学生などの若い方でも、部活動でスポーツをしている時にぎっくり腰になることもあります。
こちらの記事は、ぎっくり腰になってしまった時の対処法を3つ紹介します。
- 痛みを抑えるための姿勢や動き
- 座り方や寝方
- とにかく痛みを何とかしたい
- 早く治したい!
といったところから、
という方にも、お役に立てる内容となっています。
目次
ぎっくり腰になったらどうする?
ぎっくり腰になってしまったら、とにかく無理に体を動かさないことが大事です。無理をして動いてしまうと、腰を悪化させてしまうこともあります。
こちらでは、ぎっくり腰になったとき、どんな姿勢や動き方をしたらいいのか。
また、腰の負担が少ない座り方や寝方などについて見てみましょう。
腰の負担が少ない姿勢と動き方
ぎっくり腰になった直後は、痛くて動けない方も多くいると思います。
無理に体を動かさず、その場で横になりましょう。近くに人がいる場合は助けを求めましょう。
横になった状態で、安静にできる場所まで運んでもらいます。
近くに人がいない場合は、一体どうすればいいでしょうか。
その場合は、ゆっくり四つん這いになります。
そのまま赤ちゃんのハイハイするような動きで横になれる場所まで移動して、横になり安静にしましょう。
携帯電話を持っているときは、身近な人や救急車を呼んで助けを求めましょう。
少し動けるようになってトイレに行くような場合は、起き上がる時は上半身だけねじらないように気を付けて下さい。
立ち上がるときは、まず四つん這いの姿勢をとります。腰への負担を減らすため、腹筋に力を入れてゆっくりと立ち上がるようにしましょう。
移動するときは、壁に背を向けて腰をつけます。姿勢を少し前かがみにしてカニ歩き(横歩き)で、無理をせずにゆっくりと移動しましょう。
腰の負担が少ない座り方
【床に座る場合】
床に座る場合は、正座が一番です。
痛みがない範囲で背筋を伸ばして正座をすると、腰に負担がかかりません。
正座で足がしびれて辛いという方は、無理をせず椅子に座るようにしましょう。
【椅子に座る場合】
椅子に座るときは、軽く上を向きながら腰を下ろしましょう。
背筋が伸びて腰への負担が少なくなりますよ。
背もたれに向かって深く腰をかけて、痛みがない範囲で背筋を伸ばして座ります。
背筋を伸ばすと、背骨が上半身の体重を支えてくれるので、腰への負荷を分散してくれます。
しかし、背骨が曲がっていると腰への負担が大きくなってしまいます。
腰痛のときは、特に注意が必要です。
腰への負担を減らすため、普段の生活から背筋を伸ばす習慣をつけると良いかもしれませんね。
腰の負担が少ない寝方
横になるときは、掴めるものがあれば掴まりながらゆっくりと横になり、横向きで寝ます。
掴めるものがないときは、腕で上半身の体重を支えるようにしながら、腰に負担をかけないように、ゆっくり横になりましょう。
このとき、痛みを感じる方を上向きにすると痛みが和らぎますよ。
膝を軽く曲げ、脚の間に座布団やクッションを挟むと腰が楽になります。
寝るときに使用するマットレスなど、どのぐらいの硬さがいいのか気になる方もいますよね。
一般的には、高反発のものが腰への負担が少ないとされています。
下半身の痛みやしびれは要注意
下半身に痛みやしびれを感じた場合は、腰椎椎間板ヘルニアの可能性もあります。
早めに整形外科でレントゲンやCT、MRIなどの検査されることをおすすめします。
足が動かず感覚もないと感じたときは、腰椎の神経障害を起こしている可能性があります。
不安になることで、慌ててしまう方もいるかもしれません。
できるだけ腰を動かさずに、落ち着いて救急車を呼びましょう。
痛みを抑えるセルフケアの方法を紹介
ここでは、辛い痛みを抑えるセルフケアの方法を紹介します。簡単にできますので、どうぞお試しください。
患部に手を当てる、当ててもらう
患部に手を当て、さすったりすることで痛みは緩和されるという研究結果があります。
アメリカのTouch Research Institute(接触研究機関)は、触れることが痛みを軽減させ、マッサージはパーキンソン病の振戦を減らすという研究を発表しています。
自分で手を当てるよりも、人に当ててもらう方が効果があるとされています。
大切な人がぎっくり腰で辛そうなときには、そっと手を当ててみてはいかがでしょうか。
患部を冷やす
ぎっくり腰は、腰椎周りの筋肉が炎症を起こしていることで痛みを感じます。
炎症を抑えるため、手で痛む場所を触って熱をもっている部分を中心に冷やしましょう。
氷嚢(ひょうのう)やアイスノンを当てて冷やすことで、炎症の広がりを抑えて痛みを緩和させます。
痛み止めを使う
薬局などで売られている、ロキソニンを服用することで痛みを抑えることができます。
飲んでから15分から1時間ほどで効果が出てきます。
平均7時間効果が持続するとされています。服用することで、半日程は痛みを抑えることができます。
湿布を貼る
湿布には、冷湿布と温湿布の2種類があります。
ぎっくり腰のときは、どちらを貼ればいいのか困ることはありませんか?
実は、効果的にはどちらも同じで炎症を鎮める消炎効果や、痛みを和らげる鎮痛効果があります。
肌荒れしないもので、あなたが気持ち良いと感じる方を選んでくださいね。
腰痛ベルトやコルセットを使う
腰を動かさないように固定して、筋肉の動きをサポートしてくれる「腰痛ベルト」や「コルセット」があります。
市販されている一般的なもの、他には整形外科などで個人用に型を取るオーダーメイドもあります。
価格や種類も様々ありますが、バンドがクロスされているものなど、腰をしっかりサポートできるもの選びましょう。
ブロック注射で痛みを抑える
セルフケアの方法を紹介しましたが、それでも痛みが引かない場合もあります。
病院で受けられる腰痛の治療に、神経ブロック注射というのがあります。
「神経ブロック注射」は炎症を抑える効果があるので、ぎっくり腰の痛みが炎症からくるものであれば効果を発揮します。
痛みが引かないときは、無理をせずに病院で診察を受けましょう。
早く治したいときは、どうしたらいいの?
仕事がなかなか休めない。小さなお子さんがいて、育児や家事が休めない。やらなきゃいけないことが増えてしまい、どんどん不安になってしまう・・・。
そんな方も多いことでしょう。
ここでは、とにかく一日も早く動けるようになりたい方への対処法を紹介します。
自分で治す場合
自分で治したいと思う場合、気づかないうちに荒療法になりがちです。
下手をすると症状を悪化させてしまうので、注意してください。
普段と同じように生活する
日経トレンディネットのウェブサイトには、福島県立医科大学会津医療センターの白土修教授の腰痛に関するお話として、以下のようなことが掲載されています。
「発症から72時間未満でもベッドで安静にしているよりは、できる範囲で普段と同じように活動をしたほうが、回復が速い」
自分が動ける範囲で、普段と同じように生活した方が早く治るとされています。
無理はせずに、ゆっくりと動くようにしてくださいね。
患部を温める
患部を温めることで血行が良くなり、栄養素が血液と一緒に運ばれることで自然治癒力が高まります。
自然治癒力が高まることで治りが早くなるとされています。
ここで注意することは、患部が炎症を起こしているうちは温めずに冷やしてください。
炎症が治まるのは症状にもよりますが、2、3日はかかると言われています。
手で患部を触ってみて熱を持っていないように感じたら、患部を温めて血行の巡りをよくしてあげましょう。
病院で診察を受ける場合
病院で行く場合は、整形外科で診察を受けることになります。
整形外科では診察に加えて、レントゲンやCT、MRIなどによる検査、「神経ブロック注射」などの治療方法があります。
また「痛み止め」や「コルセット」の処方からリハビリまでを幅広く行っており、健康保険が適用になりますので安心ですね。
骨や骨格に異常がないか検査をしてもらいたい、「痛み止め」を処方してもらいたいなどの方は、まず整形外科を受診されるといいでしょう。
治療院で施術を受ける場合
整体院の施術と効果
整体は国家資格ではなく、健康保険の適用外になります。
マッサージなどにより筋肉を柔らかくすることで筋肉疲労が回復し、血行の流れが良くなるなどの効果が期待できます。腰痛を予防したい方には、おすすめです。
自宅で出来るストレッチやアドバイスを日々の生活に取り入れることで、腰痛を予防できる可能性が高まります。
接骨院(整骨院)の施術と効果
接骨院(整骨院)は、国家資格の柔道整復師が治療を行います。
電気による温熱治療などの手術や投薬を行わない「保存療法」による治療で、健康保険が適用されます。
レントゲンなどの検査は行われなく、「痛み止め」の処方がありません。
施術を行うことで、体の歪みを元に戻していきます。
筋肉を和らげ負担を減らし、体内のコリをほぐしながらリンパの流れを正常に戻していきます。
痺れなどの症状がなく、ぎっくり腰の原因もはっきりしているような場合には、接骨院(整骨院)で施術してもらうと良いでしょう。
鍼灸院の施術と効果
鍼灸院は、国家資格の「はり師」や「きゅう師」が治療を行います。
接骨院同様、レントゲンなどの検査や薬の処方は行いません。
施術の対象となる症状について、医師の同意書か診断書がある場合は健康保険が適用されます。
鍼灸院での施術は、ツボを刺激することで血行を良くする、筋肉疲労を回復させる、痛みを緩和させる効果があります。
整形外科で診察を受けた後に、痛みを緩和したい方は施術を受けられると良いでしょう。
もうぎっくり腰はイヤ!どうすればいいの?
ぎっくり腰は癖になりやすい、こんな言葉を聞いたことはありませんか?
これは、ぎっくり腰で損傷した筋肉などが元の状態に戻りにくいという理由からきています。靭帯が伸びてしまうと、元に戻るまで数年かかるとも言われています。
また、ぎっくり腰は運動不足や仕事などの生活習慣によるものも多く、ぎっくり腰になった後は、生活習慣を変えないと繰り返してしまう可能性があるとも考えられています。
このように完治していない状態が長く続くため、何度も繰り返しやすいとされているのですね。
「もう、こんな地獄のような苦しみは味わいたくない!」と、考える方も多くいると思います。普段からぎっくり腰にならないため、私達は何をしたらいいのでしょうか。
ぎっくり腰の予防法を紹介
ここからは、ぎっくり腰の予防法について紹介します。
毎日の生活に予防法を取り入れて、ぎっくり腰とさよならしましょう!
【予防法1:筋力をつけましょう】
ぎっくり腰の原因の多くは、筋肉に関係があります。
特に歳を重ねるにつれて筋力が低下していると感じる方は、骨を支える筋肉を強化するために筋力トレーニングを行いましょう。
注意することは、筋肉に負荷をかけ過ぎると筋肉が疲労してしまい、ぎっくり腰になりやすくなります。
無理のない範囲で、楽しくトレーニングを行いましょう。
【予防法2:体を柔らかくしましょう】
体が硬いと怪我をしやすくなるという情報、聞いたことがある方も多くいると思います。言葉の通り筋肉が硬くなっていると、ぎっくり腰のリスクは高まります。
特に、お尻や太ももの後ろ側などの筋肉が硬いと、腰痛になりやすいと言われています。
柔軟体操やストレッチを取り入れて、体を柔らかくしましょう。
ご家族やご夫婦、カップルの方の場合は、一人がうつぶせで寝ます。
もう一人が足の先で、ゆっくりと太ももの裏側やお尻を踏んであげると、筋肉がほぐれます。
【予防法3:適度に運動をしましょう】
仕事や家事、育児などが忙しくなることで体を動かす機会が減ってしまった方もいると思います。
水泳、水中ウォーキングなどは、腰に負担をかけることなく運動することができます。
プールへ向かうのが難しい方は、ウォーキングがおすすめです。
お散歩気分で近所を回って歩くだけでも、ちゃんとした運動になります。歩くことで血行が良くなり、腰回りの筋肉がほぐれていきます。
【予防法4:食生活を改善しましょう】
食事はぎっくり腰に限らず、健康にとっても重要になります。
食事から栄養を取ることで、疲労回復や骨や筋肉も強化にも繋がります。
栄養バランスの悪い食事をしていると肥満にもなりやすく、体重が増えることで腰に負担がかかり、ぎっくり腰のリスクが高まります。
健康な体に必要な栄養素である糖質(炭水化物)、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維、水をバランス良く摂りましょう。
社員食堂のメニューが話題にもなっている「株式会社タニタ」のウェブサイトには、バランスのとれた食事について詳しく掲載されています。
【予防法5:睡眠はしっかりとりましょう】
睡眠は、疲労回復には欠かせません。
仕事や家事、他にはスポーツなどで日中に疲労した筋肉を休ませるためにも、とても重要です。
睡眠不足になると血行も悪くなり、筋肉が硬くなってしまいます。
腰の筋肉も硬くなることで、ぎっくり腰を引き起こしてしまいます。
高反発のマットレスを使用して眠ることで、腰への負担を減らし筋肉疲労を抑えることができます。
マットレス(敷布団)の硬さですが、実際に寝てみて朝起きた時に「体が痛くないか」で判断されることが良いそうです。
また、睡眠時間の1時間前には
- 部屋を暗くする
- 香りの良いアロマを使用してみる
など、リラックスできる時間を作って十分な睡眠をとりましょう。
【予防法6:ストレスは溜めないようにしよう】
「病は気から」の言葉通り、ストレスは万病の元です。
ストレスが溜まると交感神経が優位に働いて緊張してしまいます。
緊張により筋肉が固くなってしまうことで、ぎっくり腰を引き起こしてしまいます。
更に、ストレスで自律神経が過敏になると、痛みを感じやすくなります。
お風呂にゆっくりつかるなど、リラックスする時間を取りましょう。
身近な人との会話、スポーツや趣味の時間を楽しみながら、ストレスを溜めないようにしましょう。
ぎっくり腰になりそうと感じたら?
季節の変わり目や寒い時期などは、特にぎっくり腰になりやすいので注意が必要です、
温かい服装をして、腰を冷やさないようにしましょう。
家事や育児、仕事が忙しくて疲労やストレスが溜まっている場合にも、ぎっくり腰を引き起こしやすくなります。
- なんとなく腰にだるさや違和感がある。
- いつも痛みを感じることはないけど、姿勢によって腰に痛みを感じる。
- デスクワークや自宅で、長時間座っていると腰が痛い。
このような場合は、急な動きをせずに、ゆっくり体を動かすようにしましょう。
コルセットを巻くことで、腰の負担を軽くすることもできます。
重い物を持つときは、一度しゃがみ込み腰を落とします。
その状態から、ゆっくりと持ち上げるようにしましょう。
- 栄養のある食事を摂る
- お風呂に入って体を温める
- ストレッチやマッサージで筋肉をほぐす
- 睡眠をしっかりとること
で、ぎっくり腰を改善させることができます。
まとめ
ぎっくり腰の痛さは、なった人にしかわからない、本当に辛いものです。
そんなぎっくり腰とは無縁でいたいものですが、老若男女、誰がいつなるかは分かりません。
特に初めてぎっくり腰になった場合などは、どうしていいか分からずに不安な気持ちになった方も多いでしょう。
そんな場合でも、腰に負担の少ない姿勢や動き方などが分かれば、冷静に対処して痛みを和らげることができます。
そして、痛みを緩和する方法や早く治すための方法を知ることで、ぎっくり腰の痛みから早く解放されます。
- 普段から適度に体を動かし
- 筋肉を柔らかくする
- 食生活に注意する
- 十分睡眠をとり疲労を溜めない
- 自分なりの解消法でストレスを溜めないように気を付けること
で、痛みを味わう確率がグッと減らせます。
このように、あなたもぎっくり腰になりにくい習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか?
もし、ぎっくり腰になってしまっても落ち着いて対処しながら、整形外科や整体などの治療院を上手に利用しましょう。
こちらの記事を読まれることで、あなたがぎっくり腰の辛い痛みから解放されることを願います。