気になる手のしびれ…原因別の特徴と治療法

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気になる手のしびれ…原因別の特徴と治療法

手のしびれは原因がはっきりとした一時的なものならあまり心配はいりませんが、突然おこる、痛みをともなう、しびれが数日以上続くなどの状態になると、何かの病気や異常のサインかもしれません。

そのような手のしびれの原因として考えられる代表的なものを、症状の特徴や治療法と合わせてご紹介します。

手のしびれの原因の分類と特徴

手のしびれの原因の分類と特徴

寝ている間に手を体の下敷きにしてしまった、どこかにぶつけた、冷たいものを触ったなど、しびれの原因がはっきりしていて時間とともに回復するようなら、とくに問題はないと考えられるでしょう。

心配なのは、しびれが持続したり、痛みをともなったり、特別に何かをしたわけではないのにおこったりしたときですよね。そのようなしびれがおこる原因を大きく分けると3つに分類できます。

持続する手のしびれの原因として考えられるもの

  • 1.整形外科・神経内科・内科で病名がつくもの
  • 2.日常生活の習慣や体質と関わるもの
  • 3.心因性のもの

整形外科・神経内科・内科で病名がつくもの

整形外科・神経内科・内科で病名がつくもの

病院で手のしびれと関わるのは、主に整形外科・神経内科・内科です。精神科や心療内科で扱うしびれもありますが、それは心因性のしびれの項目でご紹介します。

このしびれが病気かもと思っても、いったいどこの科に行ったらいいか、どういう分野の病気を調べたらいいか、見当もつかないときがありますよね。それぞれの科で扱うしびれの主な特徴をまとめましたので、すべてが当てはまるわけではありませんが、1つの参考にしてみてください。具体的な病名や詳細については、記事の後半にまとめてあります。

整形外科で扱う主なしびれの特徴

  • 特定の指や部位、片側だけなどしびれる場所が限定している
  • しびれだけではなく、疼痛や他の感覚異常もともなう
  • 夜間や早朝に強く痛むなど、時間帯によって症状に変化がある
  • 手を使いすぎた、ぶつけた、怪我をしたなどの後にしびれが続いている
  • 家事育児、手をよく使う仕事をしている
  • 手だけではなく、首にもしびれやコリや痛みを感じる
  • 時間の経過とともに、症状が悪くなっている気がする
  • 手指や腕の関節や筋肉が、目に見えて変形・変化している

神経内科で扱う主なしびれの特徴

  • 手そのものには痛みをともなっていない
  • ふらつき、ろれつが回らない、頭痛、目まいなどの症状がある
  • とくに原因の思い当たらない一時的なしびれをくり返している
  • しびれとともに歩き方に変化が見られるようになった
  • しびれやその他の症状が急激に始まった

内科で扱うしびれの特徴

  • しびれ以外に手の冷たい感じがある
  • 皮膚の色が紫っぽくなるなどの変化がある
  • 腕や手首よりは指先を中心にしびれる
  • 糖尿病や血糖値の異常を指摘されたことがある
  • やせた、太った、むくみが目立つ、疲れやすくなったなどの体調変化がある

日常生活の習慣や体質と関わるもの

日常生活の習慣や体質と関わるもの

特別な病気ではなくても、日常生活の習慣や体質によって慢性的に手のしびれがおこる場合があります。

日常生活の習慣や体質と関わるしびれの主な特徴と原因

  • いつからしびれが始まったかがよくわからない
  • しびれの部位があまりはっきりとしない
  • 病院では何の異常も見つからなかった
  • 時間帯によっての変化が明らかではなく、慢性的にしびれる
  • 疲れや寒さによってしびれてくる
  • 座りっぱなし、立ちっぱなし、細かい作業ばかりなどの仕事や生活をしている
  • パソコン・スマホを使う時間が長い
  • 姿勢が悪い
  • しびれ以外にも、何となく全身が不調な感じがする
  • 目の疲れ、首肩のコリがひどい
  • 昔大きな怪我や事故の経験がある
  • 冷え性がひどい

整形外科で異常が発見されるほどではないけれど、姿勢が悪く骨格や筋肉のバランスが崩れていたり、パソコンやスマホで目や手を酷使していたり、偏った作業ばかりをしていたり、冷えやすかったり、そのようなことが思い当たるなら、それが手のしびれの原因かもしれません。

また、過去に怪我や事故の経験がある人は、病院での治療が必要なレベルではなくても骨や関節が微妙にずれていて、それが徐々に進んでしびれがでるようになることもあります。

まずは自分の日常生活の中にしびれをおこす原因がないかを振り返ってみましょう。全身のバランスや状態を客観的に見てもらうために、症状に応じて接骨院、整体院、鍼灸院などで相談してみるのもおすすめです。

病院の中でも、漢方を専門に扱う漢方外来や漢方医では、病名のつかないしびれを診て漢方薬の処方を行ってくれる所もあります。

心因性のもの

心因性のもの

実際にしびれがおこるような要因は何もないのに、精神的なストレスや精神状態の悪化によってしびれを感じる場合があります。精神状態が回復すると自然に治まるものも多いですが、程度がひどく悪化すると心療内科や精神科で扱います。また、精神的な病気の症状の一部としておこってくるものもあります。

心因性によるしびれの特徴

  • しびれている部位がはっきりせず、全体的にしびれる感じがする
  • その時々によってしびれる部位や程度が変わる
  • しびれとともに不安が強くなったり心臓がドキドキしたりする

精神的に大きなストレスを抱えているのにそれが無自覚だと、しびれになって現れることがあります。その場合、しびれている場所が自分でもはっきり説明できず、「とにかくしびれる」「手が気持ち悪い感じがする」など、曖昧で不快な感覚を持つ人が多いようです。

また、すごく嫌なことをやらなければいけないときに、1つの逃避行動としてしびれがおこり、手が上手く使えなくなってしまうこともあります。その場合は、時間や作業によっては何事もなかったようにしびれが回復するのが特徴です。

そのような心因性のしびれは、しびれを気にすれば気にするほど、しびれにばかり意識が向くようになり、しびれの原因追求のために病院や治療院を転々とするケースもあります。「もしかして心因性かもしれない」と、しびれを冷静に受け止めるようにすると、改善されていくと言われています。

しびれとともに不安やドキドキが強くなるときには、不安神経症やパニック障害の症状である可能性もあります。苦痛が強いときには、心療内科や精神科で相談してみましょう。

手のしびれの原因となる代表的な病気

手のしびれの原因となる代表的な病気

整形外科で扱うしびれの原因となる主な病気

神経の圧迫される病気

  • 手根管症候群(一番多い)
  • 肘部管症候群
  • ギヨン管症候群

手の使いすぎによる腱鞘炎

  • ばね指
  • ドケルバン病
  • 上腕骨外側上顆炎(テニスひじ)

首肩や骨格の異常

  • 頸椎椎間板ヘルニア
  • 胸郭出口症候群

手根管症候群

手のしびれの原因としてよく見られ、発症の男女比が1対9と圧倒的に女性に多く、とくに妊娠出産期と閉経期の女性におこりやすい病気です。早期に治療を始めると症状の改善が早い傾向にあると言われているので、症状の特徴が思い当たる場合は、整形外科を受診しましょう。

症状の特徴

  • 初期には、人差し指と中指がしびれ、うずくような痛みをともなう
  • 症状が進むと、親指、薬指の親指側半分にもしびれと痛みがおこる
  • しびれ、痛みは、夜間から明け方にかけて強くなることが多い
  • 手を振ったり指を曲げ伸ばししたりすると、痛みが楽になる
  • さらに症状が進むと親指の付け根がやせて、OKサインができなくなる

直接の原因

手根管は手首の中心部にある神経の通り道で、周辺を靭帯で囲まれて伸び縮みができず、中には正中神経という指の動きなどに関わる神経が走っています。この手根管が何らかの要因で狭くなり中の正中神経が圧迫されたり引っ張られたりすると、正中神経が関わる部分にしびれや痛みがおこるようになります。

直接の原因

手根管が狭くなる要因

手根管が狭くなってしまう要因としては、多種多様なものが考えられ、特殊な病気などもあるので詳しくは病院で検査をしてみなければわかりませんが、比較的よく見られるものには以下のようなものがあります。

  • 原因不明で急におこる(これが一番多い)
  • 手の使いすぎ
  • 手や指の関節の変形、リウマチ
  • 手指の怪我・骨折の後遺症
  • 甲状腺機能低下
  • 糖尿病
  • 腫瘍(ガングリオン)
  • ウィルス感染(ギランバレー症候群)

一番多い原因不明の突発性のものは、妊娠出産期や閉経期の女性に多発し、女性ホルモンの乱れの影響で手根管内にむくみがおこるからではないかと考えられています。

治療(保存療法)
  • 患部を安静にするため、湿布やテーピンクや固定装具を使う
  • 神経の回復を促すビタミンB12や薬剤の投与
  • 手根管内の炎症を抑えるステロイド注射

病院で手根管症候群と診断がついた場合、まずは保存療法が行われます。突発性のものや軽度のものの多くは、保存療法で症状が改善されます。

治療(手術療法)

保存療法で改善されない難治性のものや、腫瘍や骨の変形などが原因となっている場合には、手術が検討されます。

肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)

肘部管は、ひじを中心として腕に走る神経の通り道で、中には尺骨神経(しゃっこつ神経)が走っています。ここが何らかの要因で圧迫されると、尺骨神経が支配している小指と薬指の小指側半分にしびれ・痛みがおこり、進行すると手の筋肉の弱り、ひじの内側の疼痛なども現れるようになります。

治療は状況に応じ、保存療法で様子を見る場合と、早急に手術が検討される場合があります。

ギヨン管症候群

ギヨン管は、手首の小指側にある神経の通り道で、中には尺骨神経が走っています。ここが何らかの要因で圧迫されると、手のひらの小指と薬指の小指側半分にしびれ・麻痺などがおこります。

治療は肘部管症候群と同じく、保存療法で様子を見る場合と、早い段階での手術が検討される場合とがあります。

腱鞘炎/ばね指・ドケルバン病・上腕骨外側上顆炎(テニスひじ)

腱鞘炎(けんしょうえん)という言葉はよく聞きますよね。腱鞘炎は、手や腕や脚を使い過ぎたことによって、筋肉と骨の接合部である腱に炎症がおきた状態の総称で、手におこる腱鞘炎には、ばね指、ドケルバン病、上腕骨外側上顆炎(テニスひじ)があります。

スポーツや特殊な仕事をする人がなるイメージがあるかもしれませんが、実際の患者さんで一番多いのは、毎日の家事育児を行う主婦の女性と言われています。

ばね指

親指、中指、薬指におこる腱鞘炎で、手先をよく使う女性に多く発症します。ホルモンの影響もあって、妊娠、産後の女性にもおこりやすいと言われています。糖尿病、リウマチ、人工透析が原因となっているケースもあります。

ドケルバン病

手首の骨の出っ張りの部分におこる腱鞘炎です。親指の使いすぎが主な原因ですが、ホルモンバランスの乱れとの関わりもあり、妊娠期、更年期の女性におこりやすいとされています。

上腕骨外側上顆炎(テニスひじ)

上腕骨外側上顆炎は一般的にはテニスひじと呼ばれ、手首や腕の使いすぎで、ひじの外側から手首にかけての部分に痛みやしびれのおこる腱鞘炎です。テニスひじというのは、テニスのストロークが原因になりやすいことの例えですが、実際には毎日の家事育児をする女性に多く、重いフライパンの使用、子どもを抱き上げる動作、濡れた洗濯物を引き上げる動作、風呂掃除などでの手首の酷使が原因となります。

腱鞘炎の治療

炎症をしずめるためにはまずは安静が第一で、患部にサポーターやテーピングなどをして負担を減らします。病院での治療は、抗炎症剤の処方、ステロイド局所注射が行われることもあります。

症状が軽減してきたら、周辺の血行を促すために温めやストレッチ、マッサージなどをして再発を予防するようにします。

整形外科の他、接骨院でも腱鞘炎の治療を行っています。

頸椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア

首の骨である頸椎は、円柱形の骨が積み重なるような形状をしていますが、その骨と骨の間のクッション役である椎間板にヒビが入り、中から髄核というものが飛び出し神経を刺激・圧迫してしまうことがあります。

これが頸椎椎間板ヘルニアで、圧迫された神経の場所によって、首のコリ、痛み、腕のしびれなどがおこる場合があります。

治療

おこっている痛みやしびれに対する対処療法が中心で、抗炎症剤、筋弛緩剤の投与、神経ブロック注射、患部の血行を促す温めやストレッチなどを行います。それでも改善されず日常生活に重要な支障が及ぶ場合には、手術が検討されるときもあります。

胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)

首から肩、上腕にかけての神経の基盤が鎖骨の下を走る血管とともに圧迫され、痛みやしびれ、手の麻痺、血行障害などがおこります。

首が長くなで肩の女性におこりやすく、外傷や重いものの持ち過ぎ、骨や筋肉の異常などが原因となります。

治療

急性期は患部を安静にし、抗炎症剤の投与を行います。生まれつきの体型による部分も大きいので、日常生活で症状を悪化させるような動きや姿勢に注意するよう指導し、再発・悪化を防止します。

神経内科で扱うしびれの原因となる主な病気

神経内科は、脳や神経の異常を扱う科です。しびれが主な症状になるというより、片麻痺、ふらつき、ろれつがまわらない、手や脚が勝手に動いてしまう、歩き方がおかしくなった、頭痛、などの症状がともなう場合が多くなります。

その中で、しびれが先におこる代表的なものとして、アテローム血栓性脳梗塞があげられます。

アテローム血栓性脳梗塞

脳の大きな血管が脂肪のかたまりによって徐々につまり、脳へ血液が届かなくなっておこる脳梗塞です。高血圧、高脂血症、心臓病、喫煙する人などにおこりやすく、進行する過程で急に手がしびれて物を落としてしまう症状が出ることがありますが、しばらくの間は一時的なものでおさまります。

そのまま放置してさらに進行すると、夜間に突然言葉が出なくなったり体が麻痺をしたりする症状もおこるようになります。一時的なしびれの段階で治療をすれば回復すると言われているので、気になる症状があるときには病院を受診しましょう。

内科で扱うしびれの原因となる主な病気

内科で扱うしびれの原因となる主な病気

  • 糖尿病性ニューロパチー
  • 低血糖
  • 栄養障害・電解質異常
  • 甲状腺機能低下症(橋本病、甲状腺腫)

内科で扱う病気で手のしびれのおこる代表は、糖尿病です。また、一時的な低血糖、栄養障害、電解質異常でもしびれの症状がでます。甲状腺機能が低下する橋本病や甲状腺腫も、しびれがでやすく一般的によくおこる病気です。

糖尿病性ニューロパチー

糖尿病に合併する代表的な病気です。手の両側に対称のしびれ、痛み、感覚の低下などがおこり、同時に自律神経の異常(血圧のコントロール異常、排尿障害、胃腸障害など)が見られる場合が多くなります。

治療

おこっているしびれに対しては、薬物療法、ステロイド療法などが行われますが、大元の原因は糖尿病なので、血糖値のコントロールが欠かせません。それを徹底すれば、多くの場合改善すると言われています。

甲状腺機能低下症(橋本病・甲状腺腫)

首にある甲状腺の機能が低下し、つくりだす甲状腺ホルモンが少なくなってしまう病気です。甲状腺の機能が低下する原因としては、甲状腺刺激ホルモンが不足する橋本病、甲状腺に腫瘍ができる甲状腺腫などが代表的です。

しびれの他に首のはれ、むくみ、髪が抜ける、体温が下がる、生理不順、急に太るなどの症状が見られます。

治療

甲状腺ホルモン剤を飲むと症状は改善されます。

まとめ

手のしびれ まとめ

手のしびれの原因として考えられるもの、治療法などをまとめました。しびれは重要な病気のサインの場合もあるので軽視はできませんが、最近は、スマホの使いすぎによるしびれがとても多いと言われています。

また、家事や育児に追われる主婦の人は気づかないうちに手を酷使しているので、しびれがおこりやすくなります。難しいかもしれませんが、しびれに気づいたら手を休めるようにしてみましょう。

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