坐骨神経痛は対処を間違えると怖い?! 【原因別】効果的な対処方法まとめ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
坐骨神経痛は対処を間違えると怖い?!

慢性的な腰痛にともない、お尻や足までが痛んだりしびれたりする坐骨神経痛。手足など運動に関わる部分の不調の中で、もっとも多くの日本人が悩んでいると言われています。

でも実は、「坐骨神経痛」は病名ではありません。だから、何かの原因でお尻や足が痛んだりしびれたりする症状の総称で、元になっている原因によって、対処の仕方が違うんですね。対処方法を間違えると、かえって悪化してしまうことも……!

この記事では、その原因の見分け方、原因別の対処法をご紹介します。

坐骨神経痛の症状と原因

坐骨神経痛の症状と原因

坐骨神経痛とは、具体的にどのような症状があるのでしょうか。また、主な原因にはどのようなものが考えられるのでしょうか。

坐骨神経痛の症状

  • お尻に慢性的なしびれ、痛みがある
  • 太ももの外側や裏、ふくらはぎ、かかとなどの下肢に痛み、しびれが続いている
  • 足が激しく痛み、少し歩くと歩けなくなる
  • 腰を動かすと下肢の痛みが激しくなる
  • 安静にしていても、お尻や下肢が痛んで眠れない
  • お尻や足だけではなく、腰痛もある
  • 痛みやしびれ以外に、冷感やダルさがある
  • 体をかがめると痛くて靴下がはけない
  • 立っていると足が痛んできて、立っていられなくなる
  • おしりが痛くて座っていられない

坐骨神経は、太ももと足の筋肉を支配している太い神経で、その上にある腰神経や仙骨神経から連なっています。

腰や仙骨に何らかの異常がおこると坐骨神経も影響を受けて障害や炎症がおき、その支配領域であるお尻から足にかけての部分に痛みやしびれが現れます。そのような症状をまとめて「坐骨神経痛」と呼びます。

坐骨神経痛の原因

坐骨神経痛の原因として考えられるものは、主に腰の骨である腰椎におこる病気です。それ以外には、腫瘍や筋肉の緊張などがあげられます。

  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 腰椎分離症/分離すべり症
  • 梨状筋症候群(おしりの筋肉が緊張しておこる症状の総称)
  • 脊椎・脊髄の腫瘍や炎症
  • 骨盤内の腫瘍
  •  など

早急に病院を受診した方がいい場合

  • 安静にしていても激しく痛む
  • 腰や下肢、会陰部のしびれや痛みが強く、尿もれなどの排尿障害がある
  • 歩いていると腰や下肢が激しく痛み歩けなくなるが、休むと歩けるという状態をくり返す
  • 背中がほとんど動かせないくらいに強張っている
  • 腰を軽くたたいたりセキをしたりするだけで響くような痛みがある

自分では腰の異常や筋肉の緊張からくる坐骨神経痛だと思いこんでいても、脊椎や骨盤内の臓器の腫瘍、子宮がんや前立腺がんなどが原因となっている場合もあります。

足の血管がつまる閉塞性動脈硬化症、多発性神経炎、うつ病などでも下肢のしびれや痛みがおこります。また、腰の異常が原因の坐骨神経痛の中でも、早急に整形外科を受診した方がいいものもあります

上記のような症状があるときには、セルフケアを行う前に整形外科を受診しましょう

坐骨神経痛のセルフチェックと対処法

坐骨神経痛のセルフチェックと対処法

先ほどの激しい症状をともなったり悪化したりする坐骨神経痛の場合は自己判断をせず、病院を受診し医師の指示にしたがいましょう。

ここでは比較的軽度、慢性化した坐骨神経痛のセルフチェックと対処法、病院での主な治療法をご紹介します。

姿勢によって痛みがどう変化するかをチェックする

坐骨神経痛の原因としてもっとも多いのは、腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症です。この二つはメカニズムが違うため、症状の出方も対処法も異なってきます

どちらが原因でおこっているかの簡単なチェック法として、姿勢によって痛みがどのように変わるかで判断する方法があります。

  • ① 腰を前に曲げると痛みが増すが、後ろにそらすことはできる
  • ② 腰を後ろにそらすと痛みが増すが、前に曲げることはできる
  • ③ 腰を前に曲げても後ろにそらしても痛みが増す

結果

  • ① の場合→椎間板ヘルニア型
  • ② の場合→脊柱管狭窄症型
  • ③ の場合→二つの合併型

合併型は、椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症が同時におこっているケースです。こうなると自分での対処が難しいので、整形外科を受診し医師の指導をあおぎましょう。

椎間板ヘルニア型の坐骨神経痛の対処法

椎間板ヘルニアは、腰などの骨を形成している椎骨の間に挟まるクッションのような椎間板の表面に亀裂が入り、そこから内部の髄核というゼリー状の組織がはみ出し神経を圧迫する病気で、20代~40代の比較的若い層におこりやすいとされています。

腰を前に曲げると椎間板が余計に圧迫されてしまうので、基本的に前かがみの姿勢を避けることが大切です。

○病院での治療

腰部の椎間板ヘルニアの場合、排尿障害や下肢の麻痺などがおこっていない限り、患部の安静や炎症をしずめる薬や注射を行います。

急性期が過ぎたらストレッチや筋肉アップの運動、血行をうながすホットパックなどの「保存療法」で様子をみることになります。保存療法とは、手術をしない治療方法のことです。

重要な神経に影響するものや、保存療法をしても改善せず日常生活に深刻な支障を及ぼすケースでは、ヘルニア部分を取り除く手術も検討されます。

○自宅での対処法

腰が前屈するような姿勢を避け、できるだけ腰を立てるように意識する
  • 前かがみになるときは腰を曲げずにひざを曲げる
  • 横座り、あぐら、足を投げ出した座り方、柔らかいソファーは避ける
  • 正座をするときは、太ももの裏にクッションや座布団を挟む
  • 椅子に座り続けるときには腰枕を使い、腰を支え立てるようにする
  •  

  • くしゃみやセキをするときはできるだけ静かに、腰に手を当てて支える
  • 体を前後に動かす腹筋運動はしない
  • 姿勢を注意する以外の日常生活は普通におくり、痛みがひどいときだけは休む
ストレッチは、背筋を伸ばしたり腰を軽くそらしたりするものを選ぶ
  • 痛みがあるときは無理をしない
  • 気持ちいいと思える範囲の動きにとどめ、痛いのに伸ばそうとしない
激しい痛みや炎症があるとき以外は、腰の血流をうながすようにする
  • 痛みの増すような動きは避けた方がいいが、安静にするばかりよりは痛まない範囲の活動をする
  • お風呂にゆったり入る時間をつくる(ただし腰が前かがみのまま湯船に長時間つかる姿勢は避ける)
  • 強い力をかけるようなマッサージは避け、優しい指圧やクリームでなでるように筋肉をほぐす
  • 痛みが辛くセルフケアや病院での治療に効果を感じない場合は、鍼灸院などで相談をしてみる

脊柱管狭窄症型の坐骨神経痛の対処法

脊柱管は、背骨から腰骨の中央部に通る神経の通り道です。その周辺を取り囲む椎骨や靭帯などの組織が何らかの原因で変性すると、脊柱管が圧迫されて狭くなり、中を通る神経に支障を及ぼすようになってしまいます。

この状態が脊柱管狭窄症で、原因となる組織の変性は主に年齢による影響が大きいため50代以降急速に増える病気ですが、その他の要因が重なると若い人でも発症することがあります。

脊柱管は腰を後ろにそらす動作や、立ちっぱなしの状態などで圧迫が増すため、そのようなことを避けることが対処の中心となります。

○病院での治療

脊柱管狭窄症の治療も椎間板ヘルニアと同じく、緊急性のある場合を除いては保存療法が基本です。

薬で痛みや炎症をやわらげる薬物療法、コルセットなどを使う装具療法、患部を温めたり電気刺激を与えたりして血行をうながす物理療法、体操やストレッチを行う運動療法などを組み合わせた治療が行われます。

3か月を目安に改善の具合をチェックし、効果が見られないときには手術も検討されます。

○自宅での対処法

腰を後屈させる動作、長時間の立ち続け歩き続きを避ける
  • 痛みが増したときは腰を丸める姿勢になって休む
  • 杖を使うと坐骨神経痛がおこりにくくなる
  • 自転車に少し前かがみになって乗ると負担が軽減される
  • 立ちっぱなし、歩きっぱなしにせずに、途中で座って休憩をする
腰に負担のかからない軽い運動やストレッチを継続する
  • 椅子に浅く腰かけ、お腹に力を入れながら上体を後ろに少し倒して静止する動作で腹筋を強化する
  • 壁の角に背中をつけ、両足を壁につけて90度の角度を保ちながらの軽いスクワットをする
  • ストレッチは腰をそらさず前にかがめて背中を伸ばすようなものを選ぶ
  • 痛みが増したら絶対に無理をせずに休む
激しい痛みや炎症があるとき以外は、腰の血流をうながすようにする
  • 痛みの増すような動きは避けた方がいいが、安静にするばかりよりは痛まない範囲の活動をする
  • お風呂にゆったり入る時間をつくる(ただし腰が前かがみのまま湯船に長時間つかる姿勢は避ける)
  • 強い力をかけるようなマッサージは避け、優しい指圧やクリームでなでるように筋肉をほぐす
  • 痛みが辛くセルフケアや病院での治療に効果を感じない場合は、鍼灸院などで相談をしてみる

とくに原因のわからない坐骨神経痛の対処法

病院での検査で異常がない場合、普段の生活の中に坐骨神経痛を引き起こすような要因が隠れているかもしれません。以下のポイントを日頃から意識してみましょう。

腰に負担をかけない立ち方
  • 軽くあごを引く
  • 背筋を自然にのばす
  • おしりを引き締める
  • おなかを引っ込める
  • ひざを伸ばす
腰に負担をかけない座り方
  • 軽くあごを引く
  • 背中のS字カーブを保つ
  • 腰を立てる
  • 前かがみにならないような机の高さを選ぶ
体や心の緊張はマメにほぐす
  • おしりや脚のストレッチを習慣にする
  • 同じ姿勢や作業が続くときには途中で少し体を動かす
  • 数回でいいので深呼吸を意識してみる
  • お風呂にゆっくり入る
  • 体を冷やさない
  • 暴飲暴食をしない

まとめ

坐骨神経痛 対処

坐骨神経痛の原因の見分け方、原因別対処法をご紹介しました。

坐骨神経痛には重要な病気が隠れていることもあるので安易な自己判断はできませんが、70%くらいのものは日常の姿勢や動作などの影響が大きいと言われ、改善の可能性があります。

主な原因となる椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症も、特別な病気というよりは使い傷みや年齢による変化の要素が強いのです。医療の現場でも、それそのものを手術などで治すことより、それがあっても快適な日常を送れるようにリハビリなどを行うことの方に移行していっています。

状況や症状は個人差が大きいので、情報を参考に病院や治療院なども上手に使いながら、「自分自身の体がどういう動きによって痛みが増すか、どういう姿勢が楽か」ということを日頃から意識してみましょう。

参考文献
『坐骨神経痛 久野木順一著 主婦の友社2015』
『これで安心!腰痛・坐骨神経痛 戸山芳昭監修 高橋書店』
『全部見えるスーパービジュアル整形外科疾患 成美堂出版2015』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。