辛いひざの痛みの原因は?症状から考えられる病気や治療法をご紹介

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
辛いひざの痛みの原因は?症状から考えられる病気や治療法をご紹介

ひざの痛みの原因は年齢による変化、というイメージが強いですが、実際には様々な要因があり、若い世代におこるケースもめずらしくありません。ひざが少し痛いけど…まだそういう歳ではないし大丈夫よね?と考えていると、治療が必要な病気や異常を見逃したり、無理を重ねて悪化させたりしてしまう可能性もあります。ひざの痛みに隠された原因や対策を知って、いざというときに備えておきましょう。

ひざの痛みの主な原因

ひざの痛みの原因として考えられるものには、どのようなものがあるのかを一覧で見てみましょう。詳しい症状や治療法はその下にまとめてあります。

  • 変形性ひざ関節症
  • スポーツ外傷/障害
  • 関節リウマチ
  • 化膿性関節炎
  • 大腿骨顆部骨壊死
  • 痛風
  • 偽痛風
  • 神経病性関節症
  • 結核性関節炎

このうちでもっとも多く見られるのが変形性ひざ関節症です。年配の人がなるイメージがありますが、状況によっては20代~40代の比較的若い層にも発症する可能性があります。スポーツ外傷/障害は、主にスポーツをしている人におこりますが、家事育児、仕事の現場などで同じような症状になることがあります

痛みが軽度なわりに放置するとやっかいなのが、神経性関節炎と結核性関節炎で、関節の痛みよりも先に、または同時に、微熱や体重減少が見られることもありますが、ひざ関節の軽い痛みや腫れだけが症状の場合があり、気がつきにくいので注意が必要です。

ひざの痛みの原因となるケガ・病気

変形性ひざ関節症

正常なひざ関節

正常なひざ関節

変形したひざ関節

変形したひざ関節

発症の順序とメカニズム

  1. 関節軟骨が半月板がすり減る
  2. すり減って破壊した組織のかけらが関節液の中を漂う
  3. 漂っているかけらが滑膜を刺激して炎症と痛みがおこる
  4. 炎症を抑え軟骨のすり減りをふせぐため、ひざに水(関節液)がたまる
  5. 軟骨がすり減り、骨と骨のすき間が狭くなる
  6. 半月板や関節軟骨が無くなって、骨と骨が接触し合うようになる

ひざ関節が変形する主な因子

  • 年齢による組織の変化(50代以降におこりやすい)
  • 肥満によるひざへの負担
  • 筋肉が弱い、関節や組織が元々小さい(小柄な女性におこりやすい)
  • 関節軟骨の遺伝的代謝異常など
  • O脚やX脚でひざに偏った負担がかかる
  • ひざを引き上げる太ももの筋肉などの衰え
  • ハードなスポーツ、走る、飛ぶ、跳ねるなどの動作が多い
  • 重いものを運んだり、立ったりしゃがんだりが頻繁な仕事
  • 足に合わない靴、歩きづらいハイヒールの日常的な使用

治療法

運動療法

どの段階の人にもすすめられる治療で、現在の変形性ひざ関節症の治療の中心です。組織がすり減ってそれが再生できなくても、運動によって周囲の筋肉を鍛えてやれば、痛みが軽減されて動作の範囲が広がることが実証されてきているからです。

昔は「痛いなら動かしてはいけない」と言われていましたが、今は、「痛みのあるときは薬や注射によって炎症をおさえ、動かす機会を増やした方がいい」という考え方に医療も変化してきています。

運動療法は、ひざや全身の状態によって様子を見ながら行わなければいけないので、痛みのある場合は整形外科で状態をチェックし、どの程度の運動がふさわしいかを診てもらいましょう。

最近は、病院で専門のリハビリを行っているところもあります。

薬物療法

炎症が激しい急性期には抗炎症剤を使用しますが、できるだけ副作用の少ない外用薬から始め、内服薬はできるだけ短期間の使用にとどめるのが最近の主流です。

関節の破壊があまり進んでいない段階なら、関節液の成分であるヒアルロン酸を直接ひざに注射し、関節を保護して回復を促す方法もあります。

装具療法

変形の程度がひどい場合には、サポーターや杖などを適切に使用し、ひざへの過度な負担を減らします。

スポーツ外傷/障害

スポーツ外傷/障害

外傷と障害の違い

一回の大きな圧力や衝撃によっておこるケガが外傷、くり返す動作が運動器の一部に負担を与えたことで、ジワジワと組織が異変していくのが障害です。

ひざにおこるスポーツ外傷の代表

膝靭帯損傷(しつじんたいそんしょう)
  • ひざの靭帯が何本か切れる
  • 切れた瞬間「バシッ」と音がする場合がある
半月板損傷
  • ひざをひねったり、強い力がかかったりしたときに半月板が損傷する
  • 損傷のときに「コリッ」という音が聞こえることがある

ひざにおこるスポーツ障害の代表

ひざにおこるスポーツ障害の代表

腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん=ランナーズニー)
  • 長距離走をしている中高年におこりやすい
  • ひざの筋膜と太ももの大腿骨外側にある突起がすり減り、痛みがおこる
鵞足炎(がそくえん)
  • すねの脛骨の上部内側についている筋肉の腱が炎症をおこす
  • ジョギング、ジャンプなどの動きを頻繁にするスポーツでおこりやすい
  • ひざの内側に痛みが出る
膝蓋腱炎(しつがいけんえん=ジャンパーひざ)

膝蓋腱炎(しつがいけんえん=ジャンパーひざ)

  • バレーボールのアタッカーなど、ジャンプの機会の多い人におこりやすい
  • ひざのお皿と太ももの筋肉をつなぐ腱に負担がかかり、腱が損傷する

スポーツ外傷/障害が疑われたら

スポーツ外傷や障害は、痛みを無視してスポーツを続けていると悪化し、進行した変形性ひざ関節症の原因になってしまう恐れがあります。また、スポーツに限らず労働や家事育児によって同じ症状がおこることもあります。

ひざに痛みを感じたときはスポーツや活動を休止し、整形外科を受診しましょう。

関節リウマチ

免疫の異常により、関節に炎症がおこり少しずつ破壊されていく病気です。30~50歳代の女性に多く見られ、ひざだけではなく指や全身の関節におこる場合もあります。昔は不治の病と言われましたが、現在は有効な薬も開発され、進行が止められるようになっています。

症状の特徴

  • ひざの痛みは左右対照におこる
  • 水が溜まって腫れる
  • 発熱や体重減少などの全身症状が現れることもある
  • ひざの関節が変形し、O脚やX脚になる

主な治療法

薬物療法

状況に応じて抗リウマチ薬、非ステロイド消炎鎮痛薬、サイトカイン阻害薬などを服用し、3か月を目安に効果をみる。効果が見られない場合は薬の変更や注射を行う。

手術療法

薬物療法を6か月続けても効果がみられない場合は、傷んでいる関節の滑膜を切除したり、人工関節に置き換える手術が検討されることもある。

化膿性関節炎

ひざの関節に細菌が感染し、関節の中に膿がたまる病気です。

原因となる細菌

  • 黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌など

感染経路と感染しやすい要因

  • 関節の外傷、不適切な外科処置
  • 他の部位の傷から入り、血液にのって移動
  • 全身の免疫力が低下している
  • ステロイド薬や免疫抑制剤の使用

症状の特徴

  • ひざ関節の痛みと熱感
  • 痛みは急速におこることが多い
  • 発熱、ふるえ、倦怠感などが同時におこることもある

治療法

抗生物質の点滴、患部の膿を吸引などし、炎症を抑えます。それでも効果がみられず炎症がひどい場合には、手術が検討されます。

大腿骨顆部骨壊死(だいたいこつかぶこつえし)

太ももの大腿骨のうち、ひざと接する一番太くなっている部分を大腿骨顆部といい、そこの骨組織が死んでしまう病気です。原因は不明ですが、骨粗しょう症のある60歳以上の女性に多くおこると言われています。

症状の特徴

  • 歩いていて体重がかかった方のひざが、突然激しく痛みだす
  • 進行すると寝ているときも痛む
  • だんだん痛みや炎症が増してひざに水が溜まり、歩くことが困難になる

治療法

変形性ひざ関節症と同じような保存療法を行い、改善がみられないときには手術が検討されます。

痛風

痛風

血液中の尿酸濃度が高い状態が続くと、それが結晶化してひざの関節に沈着します。これがはがれ落ちたりすると、白血球が取り除こうとして攻撃し、ひざの関節に炎症がおこります。そのときの痛みが激しく、「風がふいても痛い」ということから痛風と呼ばれています。圧倒的に男性が多い病気です。

原因

  • 血液中の尿酸濃度の上昇
  • アルコールを摂る人におこりやすい
  • 魚卵、肉などの摂り過ぎが原因となることもある
  • 遺伝性のものだと若くても発症する

症状の特徴

  • 初めての痛風発作は、足の親指の付け根におこることが多い
  • 関節が急激に痛みだす
  • 足にチクチクした感じや腫れがおこることもある

治療

発作の痛みには抗炎症剤やステロイド注射で対処し、おさまったら根本原因の尿酸コントロールが行われます。薬を使う場合もありますが、生活習慣病の要素が強いので、禁酒、カロリー制限なども必要になります。

偽痛風

発作的な痛みがくり返し痛風と勘違いされることもありますが、こちらはピロリン酸カルシウムの結晶が原因となる病気です。痛風と違って原因は不明ですが、60歳以上の人に多く見られるため、年齢による組織の変性などがかかわっているのではないかと言われています。

症状の特徴

  • 関節の痛みや腫れ
  • 痛みの程度は様々
  • 発熱やめまいなどの症状をともなうこともある

治療法

基本は患部の安静と、消炎鎮痛剤の服用です。必要に応じ、関節内にヒアルロン酸やステロイドを注射することもあります。

神経病性関節症

神経に関わる病気が原因となり、関節周囲の感覚が失われ、関節の変形・破壊が進行していく病気です。ひざが腫れたり変形がおこったりしますが、感覚が失われているので痛みを感じにくく、異変を見逃しやすい病気です。

原因となる主な病気

  • 糖尿病
  • 脊椎損傷
  • アルコール依存症
  • ビタミン欠乏症

症状の特徴

  • 初期に軽度の痛み
  • 関節の腫れ、変形

治療法

原因となっている病気の治療をしながら、ひざを固定具で保護して負担を減らします。状況に応じ、人工関節への置き換えや固定手術が検討されることもあります。

結核性関節炎

結核菌が血液にのって関節まで運ばれ、炎症がおこる病気です。

原因

  • 全身の抵抗力がおちたときに結核菌に感染しやすくなる
  • 糖尿病を抱える人や高齢者におこりやすい

症状の特徴

  • 初期に軽度の痛みや腫れ
  • 発熱や体重減少などの全身症状が先に現れる場合もある
  • 進行すると関節内に膿がたまり、皮膚をやぶって出てくるときがある

治療法

結核菌の感染が原因となっているので、場合によっては結核病棟への入院が必要です。結核の薬物治療をしながら、感染したひざ関節の滑膜切除や洗浄が行われます。

まとめ

膝の痛み まとめ

ひざの痛みの原因として考えられる病気、症状の特徴や治療法をご紹介しました。ひざが痛くても、年齢が若かったり忙しかったりするとそのまま無理に動き続けてしまう場合もありますが、できれば少し安静にし、痛みや腫れがひかないときには病院を受診しましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。