妊婦の湿疹、薬を使って大丈夫? 妊娠性痒疹やアトピーの方へ

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妊婦の湿疹、薬を使って大丈夫? 妊娠性痒疹やアトピーの方へ

「あせもかな?」と思ってたのに、いつまでも治らない妊娠中の湿疹……

妊娠中の湿疹や痒みは約5%の妊婦さんが悩むので、決して珍しい症状ではありません。

その中でも、妊婦の湿疹症状として一般的に知られている妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)は、「産むまで治らない」と言われていたりします。

薬はかゆみを抑えるだけと知ると、おなかの赤ちゃんへの影響が心配ですよね。

実際に私も、妊娠中の痒みには悩まされましたが、薬に頼らずに、お風呂を工夫することで改善することができました!

ここでは、妊娠中の湿疹と薬に頼りすぎない対処方法について徹底解説します。

妊娠中の湿疹にはこんなに種類がある!

妊娠中の湿疹にはこんなに種類がある!

①妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)

肌に紅斑(こうはん)と呼ばれる、まだらの赤いふくらみができ、その中にブツブツとした盛り上がった湿疹ができます。

まれに水ぶくれを伴うこともあります。

お腹、腕、足などにでき、お腹だけ、手足だけの人もいます。

強いかゆみがあり、寝ている間に無意識にかきむしってしまうことがあります。

<発症時期>

妊娠早期に出やすく、2回目以降の妊娠に出やすいのが特徴です。
出産すると自然に治まると言いますが、出産後もしばらく症状が出続ける人もいます。

<原因>

ホルモンバランスの影響など諸説あるようですが、はっきりした原因は、今のところつかめていません。

<治療方法>

妊娠性痒疹は皮膚の症状なので、皮膚科で治療します。
皮膚科では、クリームや飲み薬のステロイド剤、保湿剤、抗ヒスタミン剤などが出されます。

②妊娠性疱疹(にんしんせいほうしん)

紅斑ができ、大きめの破れやすい水ぶくれができます。破れると皮膚がめくれて、ただれたようになります。

症状は全身に出ることが多く、掻くことで水ぶくれが破れやすくなります。

強いかゆみがあり、寝ている間に無意識にかきむしってしまうことがあります。

<発症時期>

妊娠中期から発症することが多く、出産後に治まる人が多いですが、まれに出産後に発症する人もいます。症状が軽い人は、出産後に自然に症状が治まることもあります。

<原因>

妊娠性疱疹の原因は、体内にある「免疫グロブリン」という物質によって引き起こされます。

免疫グロブリンは、本来外からのウィルスなどと戦う働きがありますが、これが何らかの原因によって皮膚の細胞を敵と勘違いし、攻撃を始めてしまいます。免疫の誤作動が原因なので、花粉症やアレルギーと似ていますね。

<治療方法>

治療はステロイド剤のクリームや飲み薬です。

③PUPPP(妊娠性掻痒性蕁麻疹様丘疹/にんしんせいそうようせいじんましんにょうきゅうしん)

妊婦さんの約1%に起こる、妊娠後期に出る湿疹で、症状は紅斑や、丘のように盛り上がったところにブツブツができる丘疹(きゅうしん)でかゆみが強く、手足やお腹に出ます。

ひどい人はお腹から頭皮を除く全身に広がり、首や顔に出る人もいます。

<発症時期>

妊娠線が出来たところから発症しやすいとも言われています。初めて妊娠する人に多くみられます。

<原因>

妊娠性痒疹と同じく、原因は不明です。

<治療法>

治療はステロイド剤のクリームや飲み薬です。

④アトピーの悪化

元々アトピーを持っている人は、妊娠することで症状が悪化することがあります。

<発症時期>

個人差があるため、特に決まった発症時期はありません。また、個人差もあるため、妊娠するとアトピーが必ず悪化するとは言えません。

<原因>

  • 妊娠することで食べ物の好みが変わった、食べる量が増えたなどの食生活の変化によるもの
  • 妊娠中のストレスで肌が敏感になったことによるもの …… 等
  • 気を付けないといけないのは、アトピーが悪化していると思っていても、もしかしたら妊娠中の他の原因の湿疹が発症していること。

    湿疹の原因を見分けるのは、自分では難しいため、もし症状がひどくなったと思ったら、まずは産科で相談しましょう。

    <治療法>

    治療はステロイド剤のクリームや飲み薬です。

    妊婦の場合、湿疹の相談先は何科?

    妊娠している時の湿疹は、妊婦特有の湿疹なので、まずはかかりつけの産科の先生に相談します。

    産科で治療できるものは産科で治療しますが、専門医にかかった方がいいとなれば、産科から皮膚科を受診するように言われます。

    産科の先生は、湿疹の状態を診て判断してくれますので、自己判断でいきなり皮膚科に行くのは控えましょう。

    病院で処方された薬、使って大丈夫?

    病院で処方された薬、使って大丈夫?

    実は、妊婦の湿疹の治療薬として、ステロイドを処方されることもあります。

    ステロイドと聞くと、なんだか、怖いイメージがありますよね? おなかの赤ちゃんに影響はないのでしょうか? 流産につながったりしないのでしょうか?……

    そこで、妊婦の湿疹の治療薬として、病院で処方される薬について、詳しく調べてみました!

    ①妊婦の湿疹で使われる治療薬一覧

    • リンデロンVGクリーム(外用薬)
    • 成分(1g中)
      ベタメタゾン吉草酸エステル 1.2mg(強いステロイド)
      ゲンタマイシン硫酸塩 1mg(力価)(抗生物質)

      効用:アトピー性皮膚炎にも処方される薬で、ステロイドと抗生物質が入っています。
      炎症を抑えてかゆみをしずめ、抗菌効果があります。

    • マイザー軟膏(外用薬)
    • 成分(1g中)
      ジフルプレドナート0.5mg(非常に強いステロイド)

      効用:炎症を抑えて、かゆみをしずめてくれます。
      ※ ただし、ステロイドの使用は注意が必要です。詳しくは、次のセクション『ステロイドの効果と副作用』を見てください

    • プレドニゾロン(内服薬)
    • 成分:プレドニゾロン(弱いステロイド)

      効用:炎症を抑えて、かゆみをしずめてくれます。
      ※ ただし、ステロイドの使用は注意が必要です。詳しくは、次のセクション『ステロイドの効果と副作用』を見てください

    • ヒルドイドクリーム又はローション(外用薬)
    • 成分(1g中):ヘパリン類似物質 3.0mg

      効用:肌をしっとりさせ、かゆみをしずめる効果があります。血行を促進し、身体に溜まった毒素を外に出してくれます。

      副作用が少なく、赤ちゃんにも使えます。

    • アレグラ(内服薬)
    • 成分(1錠中):フェキソフェナジン塩酸塩 30mg~60mg

      効用:体の中で作られる、アレルギーの原因「ヒスタミン」を作りにくくし、アレルギー症状を和らげます。花粉症やじんましんの時に処方されます。

    ②ステロイドの効果と副作用

    <ステロイドの効果>

    ステロイドは、炎症をおさえて、かゆみを鎮めてくれる働きがあります。

    妊娠性疱疹の項目で少し説明しましたが、妊娠中の湿疹・かゆみは一種のアレルギーのようなもの。そして、ステロイドは、こういったアレルギー症状(免疫反応)を押さえ込むことができるお薬なんですね。だから、アトピーでも使われたりするんです。

    <ステロイドが「怖い」と言われる理由>

    よく「ステロイドが怖い」と言われるのは、そのアレルギー反応(免疫)を抑える働きにあります。免疫を下げてしまうので、長期に渡り使用すると、皮膚がウィルスや感染症に弱くなります。

    また、ステロイドの別の働きに、細胞の増殖を抑える働き、血管を収縮させる働きがあります。そのため、長期に渡って使用すると皮膚が薄くなるなどの副作用が出てきます。

    ただ、これらは、ステロイドの強さと量をコントロールすることで副作用が出ないようにしていくことができます。医者さんの指示に従って容量を守っていれば大丈夫です。

    ……とはいえ、いちばん心配なのは、自分のことより、おなかの赤ちゃんへの影響。「痒いからといって、赤ちゃんのいるおなかの皮膚にステロイドを塗るのはどうなの?!」って思っちゃいますよね。

    ③おなかの赤ちゃんへの影響があるという証拠はないけど……

    まず、大前提として、ステロイドで副作用があるのは、長期間使用したケースのみで、お腹の中の赤ちゃんへの影響は報告されていません。

    皮膚から吸収されるステロイドの量は極めて少ないのです。流産や奇形に影響するという証拠も見つかっていません

    妊娠中の薬の安全性を評価する、オーストラリア基準というものがあります。これによると、これまでに多くの妊婦に使用されてきましたが、ステロイドによって胎児への良くない影響がある、という証拠はないとしています。
    (参照: 妊娠中の「ステロイド」の服用は危険か?http://www.fizz-di.jp/archives/1038527121.html)
    (参照: 妊娠中や授乳中は、薬を飲まない方が良い?http://www.fizz-di.jp/archives/1015872060.html)

     

    薬には効果と副作用があります。

    たとえば、風邪を引いて咳がものすごく辛くて、体力を消耗してしまっている…… そんな状況なら、咳を抑える薬を飲んでその間に体力を回復させたほうが、薬に頼らずガマンしているよりも、ずっと早く元気になるでしょう。

    眠くてボーッとするという副作用があったとしても、風邪をこじらせて肺炎にしてしまうよりは、マシかもしれません。

    妊娠性痒疹は、一般的にはそれほどひどくなることはありません。でも、ごくまれに重症化することがあり、全身に米粒大の出血を伴うブツブツができ、お腹の赤ちゃんが亡くなるケースもあるようです。

    薬はそのリスクとリターンを考慮して使っていくのが大事。私の場合は、このあとで紹介する桃の葉風呂で、かゆみが抑えられ、肌が穏やかになっていきました。

    妊婦の湿疹の薬は、あくまでかゆみを抑えるだけ根本治癒させるものではないのが事実。なので、自分で工夫できることは工夫して、どうしてもつらいときに、薬に頼るのがいいのかな、と私は考えています。

    【私の体験談】妊娠中のかゆみが桃の葉風呂で楽に!

    それでは、私の体験談を紹介していきます!

    ①妊娠したらかゆみが!

    私は妊娠前から元々乾燥肌で、冬にはスネや腰に粉が吹いてしまうほどでした。

    妊娠してからは、肌が敏感になったこともあり、下着のゴムが当たる場所や、ブラジャーの汗がたまる場所などがかゆくなりました。

    そのうちお腹全体に湿疹も出てきて、かゆくてどうしようもなくなりました。

    ②産婦人科で相談したが・・・

    産婦人科で相談すると、ヒルドイドクリームを出してくれましたが、あまり効果がありませんでした。

    診断名は特につけられず、お医者さんからは「妊娠中はよくあるのよねぇ」と言われただけでした。

    母からも同じことを言われ、妊娠性の湿疹があることを知らなかった私は、「そんなものなのかな」程度にしか思っていませんでした。

    ③知人から勧められた桃の葉が効いた!

    悩んでいると、年上の友人が、「これがいいらしいわよ」と桃の葉の入浴剤を送ってくれました。

    それは、完全オーガニックで、天然の乾燥ハーブを不織布に入れただけのもの。

    早速お風呂のときに、湯船に一袋入れて使ってみましたが、最初は何も変化が感じられませんでした。

    2回3回と使っているうちに、かゆみがなくなり、肌が穏やかになっていくのが分かりました。

    おかげで夜中にかゆみで眠れなくなることもなく、快適に過ごせました。

    ④「桃の葉プラス」

    子宮に影響のあるペパーミントやベニバナなど、妊娠中に使ってはいけないハーブもありますが、桃の葉は安全とのこと。

    お湯に入れるとふわんといい香りがするので、リラックスもできるし、おすすめです。

    私がいただいて使っていた桃の葉入浴剤は、「飛騨清美ハーブのお風呂<桃の葉プラス>」。

    昔から、桃の葉は「あせも」にも効くと言われています。桃の葉風呂だけでなく、桃の葉ローションで楽になったという方もいらっしゃるようですよ。良かったらあなたも試してみてくださいね!

    薬以外でかゆみを軽減、予防する方法

    薬以外でかゆみを軽減、予防する方法
    桃の葉エキスのように、薬以外でかゆみを軽減・予防する方法は、他にもあります。

    ①カレンデュラオイルを使う

    カレンデュラオイルはお肌の万能薬として、知る人ぞ知る植物オイルです。
    湿疹はもちろん、やけど、アトピーにも効果があります。

    100%有機オーガニックで、妊婦さんや赤ちゃんにも使えます。

    私の甥も、乳児の頃アトピーがひどかったのですが、これをプレゼントして良くなったので、おすすめです。

    ※カレンデュラはマリーゴールドの花びらから抽出しているため、キク科アレルギーの方は不向きです。

    ②服の素材は綿に、締め付けないデザインにする

    肌が敏感になる妊娠期。ポリエステルやアクリルなどの化繊の洋服は、肌がチクチクかゆかゆになります。

    肌に負担の少ない綿100%のものを選びましょう。

    できれば縫い目も肌に当たらないほうが良く、私は家の中ではTシャツを裏返しにして着ていました。

    下着もレースのないシンプルなものがベストです。

    また、洋服のデザインも、できるだけ締め付けないガーゼのチュニックや、大きめのTシャツなどが、肌に当たらずゆったりと過ごせるので、おすすめです。

    ③シャワーを浴びる

    汗をかくとかゆみは余計にひどくなるもの。

    昼間でもシャワーを浴びて軽く汗を流すと、かゆみが軽減しますよ。

    洗う時も、身体はゴシゴシこすらずに、優しくなでるように。

    シャワーが面倒な時もありますよね。そんなときは、濡れタオルで身体を優しく拭くだけでも違います。

    濡れタオルで拭くと、身体もヒンヤリして気持ちいいですよ。

    ④ストレスを溜めない

    日本臨床皮膚科医会のホームページにも書いてありますが、かゆみって、意外とストレスが関係あります。

    振り返ってみれば、確かに私もリラックスしている時や、なにか熱中できるものをしている時は、かゆみを感じませんでした。

    妊娠中はホルモンの関係で、わけもなくイライラすることもありますが、リラックスする時間を作るのも大切ですね。

    ⑤光線治療

    妊娠性のかゆみや湿疹、アトピーの悪化で困っている人の治療に、ナローバンドUVBという最新の光線治療があります。

    これは、紫外線B波(UVB)のうち311nm という幅の狭い光線(ナローバンド)を治療に使用するもので、アトピー性皮膚炎が改善する可能性があるという研究結果が出ています
    (参考:九州大学医学部 皮膚科学教室)

    妊婦さんに光線治療をしてくれる病院もあります。

    • 新宿皮フ科 03-5367-1238
    • 念のため電話して確かめたら、妊婦さんでも安全に受けられるとのこと。妊娠後期でも可能です。

      ただし、病院によっては方針で、設備はあっても光線治療をしない場合があるそうなので、受診前には必ず電話で問い合わせてくださいね。

      ⑥整体

      かゆみに整体?と思われる方もいるかもしれませんね。

      整体というと、バキバキと骨格や筋肉を整えていくイメージがありますが、実際には整体にも様々な種類があります。

      骨だけでなく、内臓や自然治癒力に働きかける整体を行っているところでは、アトピーなどのかゆみや不妊の改善もなされています。

      そういった整体では、症状があるところに原因があるわけではなく、体のなかの毒素や不調が、体のいちばん弱いところにあらわれているだけだという考え方に基づき、その原因を調整していくことで、症状を根本から改善していきます。

      症状をピンポイントに押さえ込む医療と違って、整体は体全体のバランスを整えることで、自然治癒力を向上させていくという東洋医学の考え方に沿っているのですね。

      ただし、妊婦の体はとてもデリケートです。整体にかかる時には、マタニティを扱っているかどうかの確認をしてくださいね。

      ⑦食生活の改善

      妊娠すると食べ物の好みが変わって、無性にジャンクフードを食べたくなったり、夜中に甘いものが食べたくなったりする人もいます。

      しかし、そうした食べ物の不摂生や食べ過ぎなどで、身体のバランスが崩れ、便秘になったり体が冷えたりしてしまいます。

      食事は野菜や良性のたんぱく質を良く摂り、バランスのとれた食生活をこころがけましょう。

      特に緑黄色野菜や赤身のお肉、玉子(生はNG)などは、野菜炒めにすると一度に摂れます。

      また、全粒粉の食べ物は、栄養価も豊富で便秘解消にも役立ってくれます。
      つわりがつらいときでも全粒粉のパンなら大丈夫だったという人もいるようです。

      まとめ

      妊娠中に起きる湿疹についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

      • 妊婦の湿疹には「妊娠性痒疹」「妊娠性疱疹」「PUPPP」など様々な種類がある
      • 妊娠時の湿疹はまずかかりつけ医、そして皮膚科へ
      • 妊娠の時の湿疹で処方されるステロイドは用法用量を守れば安全です
      • 「桃の葉のお風呂」など薬を使わず、妊婦に優しい湿疹の対処方法もある

      妊娠中はただでさえ、体調の変化や出産への不安などからくるストレスなどを抱えています。

      妊娠中に湿疹ができると、眠れない場合や、一日中我慢しなければなくなり、とても辛いもの。

      この記事が少しでもお役に立てたらと思います。

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