坐骨神経痛をやわらげる薬は?特徴や副作用のまとめ

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坐骨神経痛をやわらげる薬は?特徴や副作用のまとめ

腰痛にともないお尻から足までがしびれる坐骨神経痛の緩和には、薬が大きな助けとなることもあります。

でも、ただ「薬」と言われても、「どんな薬を使うの…?病院に行かなければいけない?市販薬ではダメ?」と不安ですよね。

この記事では、坐骨神経痛の治療に使われる薬の特徴や効果や副作用をご紹介します。

坐骨神経痛に対する薬の働き

薬の役割

  • 急性期の炎症や痛みをおさえる
  • こわばった筋肉をやわらげる
  • 血行をうながす
  • 神経の働きをよくする
  • 坐骨神経痛は薬で治せる?

    坐骨神経痛の治療で薬と聞くと、最初に思うのは「それで治るの?」ということですよね。先に言ってしまうと、坐骨神経痛を薬で完全に治すことはできません

    坐骨神経痛は病名ではなく、何らかの要因で坐骨神経の機能が障害を受け、その支配領域である下半身におこる痛みやしびれなどの辛い症状の総称です。ですので、薬は原因になっている病気に対するもの、もしくは症状の苦痛をやわらげるためのもの、ということになります。

    原因になっている病気も薬で完治する性質のものより慢性化したものが主なので、薬は辛い症状を緩和させる助けとして使われます。

    薬の役割

    完治させられないのなら薬はただの一時しのぎかというと、そうではありません。痛みや炎症が長く続いていると、筋肉がこわばり脳は疲労し神経は過敏になります。そのダメージによってますます症状が増幅する悪循環を招くことがあるので、薬によってそれを断ち切り、日常のストレッチや運動などの対策ができる状態に整えることができます。

    根本の主な原因であるヘルニアや脊柱管狭窄症自体は治らなくても、薬によって苦痛を上手くコントロールし日常の生活がおくれるようになると、精神的にも落ち着いていい循環をおこすことが期待されます。

    急性期を過ぎれば薬を使わずに過ごせるようになる人も多いので、痛みが強いときには病院で相談してみるのも1つの選択肢です。

    市販薬ではダメ?

    痛み止めは薬局でも売っています。痛みに効きそうな表示がされた薬もあります。けれど、慢性的な症状に対して自己判断で市販薬を使うのはあまりおすすめできません。

    市販されている薬は成分が弱く重い副作用がおこることは少ないとされていますが、無いわけではありません。また、痛み止めに関しては、市販薬の常用で依存症になった例が報告されています。

    痛みの激しいとき、病院に行く前の一時しのぎとして使う分には問題はありませんが、しばらく飲み続けるようになるのなら、病院で処方してもらいましょう。

    坐骨神経痛の緩和に使われる主な薬

    坐骨神経痛の緩和に使われる主な薬
    坐骨神経痛の緩和に使われる主な薬の特徴をご紹介します。

    非ステロイド性抗炎症薬(NSAID=エヌセイド)

    ○特徴
    • もっとも一般的な痛み止め
    • 様々な系統があって効果に個人差がある
    • 胃腸障害がでやすい
    • 肝機能・腎機能に影響する場合がある
    • 坐薬やぬり薬や貼り薬もある
    • 現在は副作用のでにくい系統のものが主流

    非ステロイド性抗炎症薬は、腰痛・坐骨神経痛の緩和にもっともよく使われる痛み止めです。
    最近はプロドラッグといって、胃腸に作用せず血液中に入ってから有効成分が発揮されるタイプがあり、ロキソニンがその代表です。従来のものに比べ胃腸を荒らしにくいと言われています。また、COX-2選択的阻害薬という胃腸を痛めにくい薬もあります。ただ、実際の処方は、効果と副作用をてんびんにかけ、その人に一番合っていると思われるものが選択されます。

    坐骨神経痛の苦痛には個人差があり検査数値にでるものではないので、患者さん自身の実感が頼りです。薬を飲んだときの変化、胃の痛み、体の不調などがあれば、必ず伝えましょう。

    ○内服薬、坐薬、ぬり薬、貼り薬の使い分け

    坐薬

    • 即効性があり急性の痛みのときに有効
    • 胃腸からの吸収が悪い人に使用する場合もある

    ぬり薬

    • 内服薬に比べると効果が弱い
    • シップよりは皮膚に優しいが持続時間が短い

    貼り薬

    • 内服薬に比べると効果が弱い
    • 全身的な副作用は少ない
    • 皮膚がかゆくなる場合がある
    ○主な薬剤名(かっこ内は代表的な商品名)
    プロドラッグ ロキソプロフェンナトリウム水和物(ロキソニン)
    アセメタシン(ランツジール)
    アンピロキシカム(フルカム)
    従来型 アスピリン(アスピリン)
    インドメタシン(インダシン)
    ジクロフェナクNa(ボルタレン)
    イブプロフェン(ブルフェン)
    COX-2選択性 エトドラク(ハイペン)
    メロキシカム(モービック)
    チアラミド塩基塩(ソランタール)
    坐薬 ジクロフェナクNa(ボルタレン)
    インドメタシン(インテバン)
    ぬり薬 フェルビナク(ナパゲルン)
    副腎エキス・ヘパリン類似物質配合(ゼスダック)
    貼り薬 ケトプロフェン(モーラステープ)

    中枢性筋弛緩薬

    ○特徴
    • 筋肉の緊張やコリをやわらげる
    • 重い副作用で知られた筋弛緩薬とは別もの

    痛みでこわばった筋肉をやわらげる中枢性筋弛緩薬も、坐骨神経痛にはよく使われる薬です。筋弛緩薬と聞くと、「そんな怖い薬を使うの?」と不安になる人も多いようですが、かつて重い副作用が知られた筋弛緩剤とはメカニズムが違います。脳に作用してリラックス効果をおこすもので、肩こりなどの緩和にもよく処方されます。

    ビタミンB12

    ○特徴
    • 神経組織を障害から回復させる
    • 副作用の心配がほとんどない
    • しびれなどの症状に使われるが明確な効果は得られにくい

    ビタミンB12には神経の障害を回復させる作用があると言われ、副作用の心配もほとんどないため、しびれの症状によく使われます。しかし、必ずそれで改善されるという明確な効果がわかっているわけではなく、効果の感じ方は個人差があります。

    神経性疼痛緩和薬(リリカ®)

    ○特徴
    • 末梢神経の障害による神経痛を緩和する
    • 坐骨神経痛によく効くことがある
    • 2010年に発売された薬
    • 眠気やふらつきの副作用がでやすい

    オピオイド(麻薬性鎮痛薬)

    ○特徴
    • がんなどの激痛に用いられる麻薬類
    • 慢性痛の場合も耐え難い痛みがあれば使用が許可される
    • 専門医のじゅうぶんな検討が必要

    漢方薬

    ○特徴
    • 上手く体に合えば効果が期待できる
    • 八味地黄丸、牛車腎気丸がよく使われる

    坐骨神経痛に対しては、漢方薬が効果をあらわすときもあると言われ、八味地黄丸、牛車腎気丸などは一般病院でも処方することがあります。しかし、実験データに基づく西洋薬と違い、漢方薬を使うかどうかは医師の考え方次第です。漢方薬には副作用が無く安心と考える人もいるようですが、体質に合わなければかえってマイナスに働くこともあり、肝機能障害の可能性もあります。

    漢方薬を使いたいときは、漢方医や漢方を積極的に使って詳しい医師や治療家の人に相談のうえ処方してもらうことをおすすめします。効果のほどや肝機能障害以外の副作用は検査数値にあがってこないので、自分の実感が頼りになります。

    循環障害改善薬

    ○特徴
    • 腰部脊柱管狭窄症の治療によく使われる
    • 血管を拡げ血液を固まりにくくする作用がある

    この他、骨粗しょう症による圧迫骨折が原因になっている腰痛・坐骨神経痛なら骨密度をあげる薬やホルモン剤が使われます。また、体の機能そのものに働きかける薬より、痛みに対する過剰な反応や不安を抑える抗うつ薬や抗不安薬が大きな効果を発揮する場合もあります。

    まとめ

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    坐骨神経痛の緩和に使われる主な薬についてまとめました。
    薬だけで根本の原因を改善することはできませんが、苦痛を我慢し続けていると状態がかえって悪化してしまうこともあります。

    薬に対する不安があるときには医師や薬剤師に相談し、上手に付き合っていきましょう。

    参考書籍:

    • 坐骨神経痛がわかる本 戸山芳昭著 法研
    • これで安心!腰痛・坐骨神経痛 戸山芳昭著 高橋書店
    • 坐骨神経痛 久野木順一著 主婦の友社
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