内臓の不調が原因でおこる腰痛とは?その仕組みと対策法

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内臓の不調が原因でおこる腰痛とは?その仕組みと対策法

腰痛の原因は様々で、整形外科で検査をしても異常が見当たらないことがよくあります。

その場合、心因性などが原因としてはあげられますが、その中に内臓の不調と関わる腰痛もあります。

内臓には、実際に傷んでいる部位とは別の場所が痛む関連痛という仕組みがあるため、腰痛の裏に内臓の病気や不調が隠れていることもあるのです。

具体的に、どのような内臓が腰痛には関わるのでしょうか。

内臓と腰痛の関係

内臓と腰痛の関係

内臓の不調がなぜ腰痛をひきおこすのかというと、脳が内臓からの痛みの信号を、腰からのものと間違って受け取ることがあるからです。

本来傷んでいないはずの部位におこる痛みは関連痛、または放散痛と呼ばれています。

関連痛の仕組み

内臓と腰痛の関係

内臓から脳に痛みを伝える神経と、腰から脳に痛みを伝える神経は、その経路が脊椎を介して交わっています。
そのため、内臓から発された痛みの信号が混線し、同一経路上の部位の痛みとして脳が勘違いしてしまうことがあります。

内臓の関連痛は腰痛に限らず、背中、肩、あごなど神経がつながった幅広い部位におこる可能性もあるため、実際に傷んでいる内臓からは遠く離れた部分が痛む場合もあります。

関連痛は脳への情報伝達が混乱しておこっているだけで、痛みを感じている部位に傷や損傷があるわけではないので、内臓の関連痛として出ている腰痛の場合、いくら腰周辺を検査しても異常はでてこないことになります。

痛みのある周辺にはコリや血行不良がある

しかし関連痛は、脳への情報伝達が混乱しておこっているだけとはいえ、まったくのまやかしの痛みではありません。
脳が間違って「腰が痛んでいる」と判断しているので、腰の筋肉や血管はその情報を受けて緊張します。

そのため、腰の機能そのものには異常や損傷がなくても、周辺の筋肉は強張り血行は悪くなってしまい、それがひどい慢性的なコリとなって表れ、本人を悩ますことになります。

悪姿勢やパソコン作業のし過ぎ、冷えなどが原因でおこったコリなら、ストレッチや温めることによって血行は良くなり痛みは軽減します。

しかし、内臓が原因でおこっている痛みの場合は、外からのアプローチで一瞬緊張が緩んだとしても、内臓からの痛みの信号は出続けているので、すぐ元の緊張した状態に戻ってしまいます。

内臓が原因の腰痛の特徴

  • 整形外科で検査をしても異常が見つからない
  • マッサージや整体に通っても効果を感じない
  • ストレッチや温めで一瞬緩んでも、すぐに元の状態に戻ってしまう
  • 腰をこぶしで叩いたとき、体の内側に響くような痛みがある
  • 生理周期、食事など、一定の習慣に応じて痛みが連動している

内臓が原因の腰痛の場合、マッサージ、整体、ストレッチ、温めなど、外からの理学的アプローチでは対処ができません。

基本的に、内臓が全般的に弱い人はひどいコリ症でもあり、腰痛、肩こり、首の痛みなど、何をやってもマシにならない慢性的なコリや痛みを抱えていることが多いとされています。

また、腰に振動を与えたときに、体の内側に響くような痛みを感じることがあり、関連している内臓によっては、生理周期や食事に痛みが左右されることがおこります。

内科での判断は難しい

内科での判断は難しい

関連痛の情報をネットや本で見て、病院に相談しようとする人も多いと思います。しかし、内科で痛みの原因となっている内臓を見極めるのはなかなか困難といえます。

なぜなら、関連痛がおこるかどうか、おこったとしたらどの内臓からどこの部位におこるかには個人差が大きく、医学的に一定の決まりごとがあるわけではないからです。

中には、狭心症と左肩の痛み、すい臓炎と背部中心の痛み、尿路結石と脇腹周辺の痛みなど、多くの人に共通しておこる関連性の深い痛みもあり、この場合は、他の症状とも合わせて医師が判断し、検査で明らかにすることができます。

しかし、「内臓が不調」というだけで、病院で治療するような病気に至っていない未病の状態であれば、病院では対応のしようがなく、医師としても判断をすることができません。

病院で判断のつきやすい関連痛としての腰痛

病院で判断のつきやすい関連痛としての腰痛

とはいえ、腰痛によって推測される、病院で治療可能ないくつかの病気もあります。

尿路結石、尿管腫瘍、膀胱腫瘍

泌尿器関係からおこる腰痛のうち、尿路結石の痛みは転げまわるほどの痛みです。

尿管腫瘍や膀胱腫瘍の場合はそこまでの痛みではありませんが、腰痛と同時に尿に血が混じることがあります。

これらを専門に診断するのは、総合病院の泌尿器科、腎臓内科となります。

腎盂腎炎、腎炎

腎臓は腰と近い位置にあるため、腰痛との関連は深いと言われています。

腎盂腎炎は、腎臓と尿管の接続部に細菌が感染しておこりますが、その急性期には通常発熱がともないます。

腎炎には、風邪や疲れによって一時的におこる軽いものから、重大な病気に発展するものまで様々な種類があります。

急性期には発熱をともない、むくみ、高血圧、尿に血が混じったりにごったりすることがあります。

腰の痛みによって吐き気をもよおす場合もあり、発熱、むくみ、全身が妙に疲れやすくなったなどの症状もあれば、腎臓との関連が疑われます。

これらは尿検査や血液検査で判断がつくので、一般内科でも検査が受けられます。

骨盤膣炎、子宮筋腫、子宮内膜症

生理のときに腰が痛くなる人も多いと思いますが、骨盤の内部にある婦人科系の器官の異常も腰痛とは関連が深くなっています。

骨盤膣炎は、膣から骨盤周辺に細菌が感染し、通常発熱がともないます。
子宮筋腫や子宮内膜症の場合は、生理周期によって激しい痛みが出たり、生理に異常がみられたりすることがあります。

ホルモンバランスの乱れや月経困難症でも腰痛がキツくなるので、続くようなら婦人科を受診しましょう。

未病と腰痛

未病と腰痛

上記のように、腰痛が治療を必要とする疾患と関わっていることもあるので、他の症状もあって気になるときには一度病院で検査をしてもらいましょう。

しかし、それでもとくに異常の見つからないという場合には、「病気というほどにはなっていないけど内臓が疲れている」という未病のサインかもしれません。

消化器の不調と関連した腰痛

消化器の不調と関連した腰痛

内臓の未病による関連痛としておこっている腰痛の場合、もとの原因となっている内臓は

  • 位置の近い腎臓
  • 尿管、膀胱などの泌尿器系
  • 子宮、卵巣など
  • の婦人科系が代表としてあげられますが、

意外と多いのが胃腸やすい臓などの消化器系の不調が原因となるケースです。

胃やすい臓の不調はその裏側にあたる背中に痛みがでるとされていますが、背中と腰はつながっていて、また腰は前面に腸を抱えているので、そちらの不調が伝わって痛むことがあるのです。

また、やせがたで胃腸が下垂している胃下垂の人の場合は、その不調によって腰が痛む割合が高くなっています。

消化器の不調と関連した腰痛の特徴

消化器の不調と関連した腰痛の場合、一番大きな特徴は食事と関連して痛みに変化があるということです。

  • 食後に腰の重たい感じが増す
  • 反対に空腹時に痛みが増して食べるとマシになる
  • 油ものを食べると痛みがひどい
  • アルコールを飲むと腰がダルいなど
  • 食事と痛みが連動していないかをチェックしてみましょう。

内臓の未病による腰痛の対処法

内臓の未病による腰痛の対処法

内臓の未病からくる腰痛の場合、理学的なアプローチではなかなか解決されません。

しかし、ハリや整体、東洋医学の観点を取り入れている施術の場合は、コリのある部分から反対に弱っている内臓を探りアプローチをする手法もあるので、ただのマッサージを受けるよりはそのような場所でのケアをおすすめします。

けれど、どのような優れた施術を受けたとしても、内臓に負担のかかる生活習慣を続けていては改善が難しいといえます。
自分の生活の中に、内臓を弱らすポイントがないかをチェックしてみましょう。

腰痛改善のために注意したいポイント

体を冷やさない

腰に痛みをおこすと考えられている臓器は、冷えに弱い臓器ばかりです。

冷えは万病の元とは言われますが、

  • 泌尿器系
  • 婦人科系
  • 消化器系
  • の弱い人は特に注意をしましょう。

冷えというと手足に注意が向かいがちですが、意外と見落としているのがお腹やお尻です。

とくに女性に多いのが、お尻の冷え。お尻が冷えると腰痛が増すので、自分のお尻を触って他の部分よりも冷たいと感じたら、半身浴などで積極的に温めてあげましょう。

内臓自体を冷やさないように、冷たい飲み物食べ物は控えめに。

体をしめつけない

これも女性に多いですが、

  • しめつけのキツい下着
  • 細身のパンツ
  • 窮屈な靴
  • などで体をしめつけると、血行が悪くなって腰痛も増してしまいます。

もちろん女性にとってはオシャレも重要ですが、自分のサイズに見合ったものを選び、家に帰ったらリラックスのできる服に着替える習慣をつけましょう。

無理やり体を締め付けたオシャレをしても、内臓や全身が不調になってしまっては、肌や体型にかえって悪影響を与えます。
体に負担をかけない範囲でファッションを楽しみましょう。

ストレッチやマッサージに注意

他の原因からきているコリや痛みと違って、外からの刺激で緩めることの難しいのが内臓からくるコリの特徴です。

ですので、それを無理な力で伸ばしたり激しいマッサージをしたりするのは避けましょう。

ストレッチをするときには痛む部分を伸ばすのは避け、他のストレッチしやすい部位をのばして全身の血行をアップさせる方が効果的です。

マッサージも、やっても全然コリが緩まないからと強さがエスカレートしてしまいがちですが、やればやるほど緊張が強まってコリや痛みが悪化してしまいます。

ひどいコリに無理やりアプローチせず、周辺を優しくなでたり、他の部分をマッサージしたりして対処しましょう。

食事を見直す

食事を見直す

消化器に関連した腰痛の場合は、食事内容は大きく影響します。

頭や知識であれこれ考えず、食べたときの体の反応に目を向けてみてください。世の中には「こういう食事がいい」と言われていることがたくさんありますが、結局その人の体質に合っているかどうかです。

内臓が弱っている人の場合、刺激物や油ものの摂り過ぎに注意する、消化しやすいものを食べるなどは基本ですが、一番大切にしたいのは食べ方です。

口に入れたものをよく噛んで味わって、ゆっくりと飲み込むようにしましょう。

そうすると、自分の内臓の感覚に敏感になって、「これは食べ過ぎない方がいいな」「これは今の自分には負担だな」ということがわかるようになってきます。

好きなものを理屈で制限するのは無理がありますから、情報に左右されてやみくもに食事内容を取り決めず、自分の体と相談しながらゆっくりと食べる習慣を心がけてみましょう。

ストレスと上手に付き合う

ストレスと上手に付き合う

どんな不調にも必ず関わっているのが精神的なストレスです。

しかし、勘違いしないようにしたいのは、「ストレス自体が悪いわけではない」ということです。

生きていく上で、様々な出来事がおこるのは当たり前で、ときにはどうしても避けられない苦しみを耐えなければいけない時期や場面は必ずでてきます。

  • ストレスを避けよう
  • 無理にはね返そう
  • 無理に発散しよう
  • 無理に前向きに乗り切ろう
  • とすると、かえって負担がかかるので、ストレスに対処する自分に合った方法を身につけていきましょう。

その方法は人によって様々ですが、一番のポイントは「ストレスを憎まないこと」です。

ものごとには必ずいい面と悪い面があって、ストレスも上手く利用すれば自分を成長させる機会になります。

「このストレスが無ければ…」と嫌って避けようとすると、ますます辛さは増すばかりです。「上手く付き合う」ことを意識してみましょう。

まとめ

腰痛まとめ

内臓の不調に関連しておこる腰痛についてご紹介しました。

他の原因と見分けるポイントは、

  • 整形外科で検査をしても異常が見つからない
  • マッサージや整体に通っても効果を感じない
  • ストレッチや温めで一瞬緩んでも、すぐに元の状態に戻ってしまう
  • 腰をこぶしで叩いたとき、体の内側に響くような痛みがある
  • 生理周期、食事など、一定の習慣に応じて痛みが連動している

病院での治療が必要な病気の関連痛としておこっている場合もありますが、生活習慣からくる内臓の弱り、未病の状態で痛みを感じている人の割合の方が多いと言われています。

関連痛は脳の勘違いとされていますが、体の内側にある内臓はよっぽどの状態にならなければ痛みを発信することが難しいため、表面に近い他の部位が変わって内臓危険信号を私たちに知らせてくれていると考えることもできます。

普段の生活に内臓を弱らせてしまう習慣が隠れていないか、無意識に自分の体や心に負荷をかけ過ぎていないかを振り返ってみましょう。

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